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家が脳卒中を早期発見する、積水ハウスがIoTで目指す未来

2020年春にサービス発売
家が脳卒中を早期発見する、積水ハウスがIoTで目指す未来

CESで構想を発表する仲井社長

 積水ハウスは家を幸せの場にするサービス「プラットフォームハウス」を2020年春に発売する。米国の家電・IT見本市「CES」で仲井嘉浩社長が日本時間9日に発表した。家を基点とし、健康、つながり、学びをキーワードにIoT(モノのインターネット)やセンサーなどを活用した具体的なサービスを順次提供。第1弾は健康サービスで、月内をめどにラボを設け実証実験や臨床研究を行う。

 健康では「急性疾患対応」、「経時変化」、「予防」の三つのサービスを提供する。家で発症する可能性の高い脳卒中など急性疾患の早期発見の対応や予防などが念頭にある。

 データ取得やサービスのIoT活用はこれから検討する。住人が機器を体に取り付け自ら測定するのではなく、日常生活で呼吸や心拍数などのデータを自然に取得できるようにする。専用センサーの住宅設備への設置やアルゴリズム技術の活用などを想定している。

 例えば、急性疾患の発症時には異変を察知する仕組みを作る。日常データと照合し、異常の可能性がある場合、専門家窓口に自動通知する。また家の温度や湿度、照明などをコントロールし、快適で心地よい住まいの生活をサポートする。

 健康サービスでは、NECやNTTコムウェア、コニカミノルタ、日立製作所、慶応義塾大学、同大学病院、産業技術総合研究所と協力し、実証実験や臨床研究を進めていく。
日刊工業新聞2019年1月10日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
積水ハウスの発表によると、脳卒中の年間発症者約29万人のうち、家での発症が79%、また、心筋梗塞の年間発症者約10万人のうち、家での発症が66%を占めるそうです。住宅内のIoT活用は色々なサービス構想があるようですが、家で発症する疾患を早期発見する仕組みの必要性が高いと判断し、まず健康サービスから提供する判断に至ったようです。

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