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村田機械が米スタートアップと組み、「ロボ倉庫」を10月投入

米ウォルマートが採用、日本で普及へ
村田機械が米スタートアップと組み、「ロボ倉庫」を10月投入

ロボット倉庫システム「アルファボット」(イメージ)と稼働する搬送ロボ(左上)

 村田機械は、ロボット倉庫システム「アルファボット」を開発した米スタートアップのアラートイノベーション(マサチューセッツ州)と戦略的パートナーシップ契約を結んだ。同システムは小売り世界最大手の米ウォルマートがリアル店舗とネット販売の融合に向けて採用し、全米展開を計画している。自動倉庫大手の村田機械は10月に同システムを日本で発売し、村田の拠点を用いた同システムの生産や世界展開でも協力する。

 eコマース(電子商取引)をはじめ、流通業界は多数の小口注文に効率対応できる物流システムを求めている。村田は多様な商品の高密度大量保管と高効率ピッキングを両立し、仕組みがシンプルなアルファボットの技術移転を受けた。国内では日本仕様にカスタマイズし、販売、設計、製造、サービスを行う。販売目標は2023年度までの5年間累計で200億円。

 アルファボットは、自律走行・昇降してすべての棚にアクセスできる搬送ロボットが、複数配列の保管棚の内外で縦横無尽に動くのが特徴。棚にある商品コンテナを同ロボットが取り出し、複数配置した仕分け作業台の作業者の手元まで届ける。作業者が個人客の注文ごとに必要商品をピッキングした後、商品コンテナを再び棚へ再格納する。価格は従来の自動倉庫より3割ほど低減でき、駆動機構が同ロボットのみで保守管理も容易という。

 ウォルマートは店舗にアルファボットを用いた倉庫を併設する計画。来店者が店で食品を買う間に、オンラインショッピングで注文した日用品などをそろえ、退店時に駐車場などで受け取れる新しい仕組みだ。このほど2店舗で試運転をはじめており、順次広げる。

 アラートは16年設立のファブレス企業。村田のグローバルの生産、販売、設計、サービスのリソースを用い、両社は日米に加え、世界で事業拡大を狙う。
日刊工業新聞2019年8月19日(機械)

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