シェアリングエコノミー、GDPに反映へ

政府内で検討進む

 成長が続くシェアリングエコノミー(共有型経済)を国内総生産(GDP)に反映させるための検討が政府内で進んでいる。内閣府は将来、個人間のサービスの付加価値額をGDPに反映させる方針だ。国の定期調査で収入・費用構造をとらえ、より実態に即したGDPに改める。

 内閣府が7月に公表した調査結果によると、2017年のシェアリングエコノミーの生産額(市場規模)は前年比約50%増の6300億―6700億円程度に拡大した。このうち中間投入額を差し引いた付加価値額は1300億―1600億円程度となったと試算する。

 生産額のうち、東京五輪・パラリンピックなどを控え注目される民泊は1400億―1800億円程度で全体の約25%を占めた。民泊サービスの提供者1世帯平均の年間収入は71万6806円で、支出は42万5556円。貸出比率は59・2%、貸し出し日数は87・2日という結果だった。

 シェアリングエコノミーサービスをめぐっては、矢野経済研究所(東京都中野区)が22年度の国内市場規模(サービス提供事業者売上高ベース)を17年度比93・4%増の1386億円と予測するなど、今後も成長が続く見通し。こうした状況を踏まえ、内閣府はGDPに関連する付加価値額を反映するべく検討を進めている。

 正確に言えば、インターネット上でシェアリングサービスのプラットフォーム(基盤)を運営する事業者の手数料収入は「インターネット付随産業」の一つとしてGDPに捕捉されている。一方、サービスの「主役」である提供者と利用者がやりとりした金額は、数年で急拡大したサービスだけに公的な定期調査の範囲外だったのが実情だ。内閣府は、現在GDPで捕捉できていない付加価値額が800億―1000億円程度に上ると推計する。

 GDP統計の改善は、政府の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)がまとめた「統計改革の基本方針」に明記された。今後、総務省や経済産業省などの調査にシェアリングエコノミーの関連設問を加えることなどを含め、検討を本格化する。

                         

日刊工業新聞2019年8月19日

  

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