「メルカリで売る→メルペイで買う」メルカリがスマホ決済で猛追

「メルペイ」はメルカリの売上金で買い物ができるのが強み
 フリーマーケットアプリケーション(応用ソフト)を手がけるメルカリが、スマートフォン決済サービス「メルペイ」で攻勢をかけている。フリマアプリの売上金をそのまま実店舗での買い物に使えることが特徴だ。スマホ決済市場はさまざまな事業者が参入し、乱戦状態が続く。その中でメルペイは、フリマアプリの顧客基盤と蓄積データをフル活用し、他社を追い上げる。(大城蕗子)

 「『メルカリ』での経験を生かして、お金の流動性のイノベーションに取り組む」。メルカリの山田進太郎会長兼最高経営責任者(CEO)は力を込める。国内首位のフリマアプリに次ぐ成長戦略の一つに、スマホ決済事業を掲げる。

 スマホ決済市場は各社の大胆な還元策が白熱している。ソフトバンクとヤフーが手がける「ペイペイ」は最大20%、総額100億円を還元するキャンペーンの第2弾を5月末まで実施。LINEの「LINEペイ」も4月末まで最大20%を還元するキャンペーンを始めた。こうした取り組みは利用者側の利点が大きく、スマホ決済人口を増やす策だ。一方メルカリは、フリマアプリとの連携を軸に利用者を増やすほか、蓄積データを加盟店獲得に活用して他社との差別化を図る。

 メルペイの営業担当者は、アプリの2種類のデータを示して小売店へ秋波を送る。一つは取引品目に関するデータ。アプリでは洋服のほか、ゴルフクラブ、カメラなど趣味に関する商品がよく売り買いされる。同社の調べでは、アプリで売った物と同じカテゴリの商品を実店舗でも買う傾向が高い。取引が盛んな商品を扱う店舗は明確なターゲットとなる。また店舗側は来店見込み客を想定できる。

 もう一つは、利用者の居住地域や売上金といった情報だ。営業担当者はこうしたデータを基に、特定地域に的をしぼって営業をかける。店舗の周辺地域におけるアプリの売上金や男女比率、年齢層などをグラフや表を使って丁寧に説明。スマホ決済に踏み出せない小売店でも「データを組み合わせて提案すると説得力があり(相手の心に)響く。『他の決済サービスは導入せずメルペイだけ入れる』という店も多い」と、メルペイ(東京都港区)の山本真人執行役員は強調する。

 さらに今後、メルペイの購買データを蓄積して、企業の商品開発を支援する法人向けビジネスにも乗り出す。利用者がメルペイで購入した商品が、いつ、いくらでフリマアプリに出品されたかが分かれば、商品価値の把握につながる。双方のデータを組み合わせて、商品のライフサイクルを押さえるというわけだ。「メルペイを展開することで、初めて生まれるデータだ。どういう商品に価値があるのか、店舗と共有すれば商品開発に生かせる」(同)。

 メルペイは、メルカリの法人向けビジネスの第1弾の取り組みと言えそうだ。メルカリで売って、メルペイで買って―。こうした流れを確立すれば、新たな収益の柱が生まれる可能性が高まる。

2019年04月19日

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