福島に研究施設…IHI、水素キャリアへの道筋

20年6月に完成予定

 IHIは福島県相馬市に構えるそうまIHIグリーンエネルギーセンターで、水素研究施設の建設に着手した。20年6月に完成予定。同社が進めるアンモニアを含む水素燃焼技術やメタネーション(水素のメタン化)化など、水素を貯蔵・運搬する「水素キャリア」の事業化に向けた開発を行う。オープンラボとして研究施設を開放し、共同研究も含めて活用する方針で、オープン後は最大20人程度の研究者が入居する見通しだ。(文=駒橋徐)

 IHIは水素エネルギー開発では水素を多く含むアンモニアと石炭の混焼や、2000キロワットガスタービンでの天然ガスとの混焼を実証してきている。また18年に開設したグリーンエネルギーセンターでは太陽光発電の電気により2種の水電解装置で水素を生成・貯蔵する水素活用システムの実証も進めている。

 新設する水素研究施設は、建屋が延べ床面積1000平方メートル。大小の研究・実証施設(セル)を室内に5カ所、室外に1カ所設置。計測施設も設置する。大型施設には10メガパスカル、中・小型施設には1メガパスカルの高圧水素を供給する体制を整える。

 研究施設はオープンラボで展開。同社の研究開発テーマ以外に、大学や研究機関、企業がこのセルを使った実証や、IHIとの共同研究を行う。研究施設は低コストで利用でき、技術情報は各設備内でクローズされる。

 福島県では産業技術総合研究所・福島再生可能エネルギー研究所が、世界で初めてアンモニア100%専焼ガスタービンを保有して実証をするなど、水素エネルギー研究を進めている。IHIの水素研究施設の開設は、県内エネルギー需要の100%相当の再生可能エネルギーを生み出すことを掲げ、水素利用の一大拠点も目指す福島県にとって技術面での大きな力になる。

日刊工業新聞2019年8月14日

  

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