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インド出店を決定、ココイチ社長が語る「日本式カレー」の広げ方

壱番屋社長・葛原守氏インタビュー
 壱番屋が「カレーハウスCoCo壱番屋」の海外展開を加速している。7月にカレーの本場であるインドへの進出を発表し、大きな話題となった。人口減少で日本の外食市場の伸びが見込めない中、将来は海外1000店舗(2020年2月期に200店舗の見込み)というビジョンも掲げる。“日本式カレー”を、海外でどう広げるのか。同社の海外展開の草創期から携わり、3月に社長に就任した葛原守氏に聞いた。

 ―インド出店を決めました。
 「本場のインドに進出するのは長年の夢だった。インドは13億人以上の人口を抱え、中間所得者層も増加傾向にある。朝昼晩3食全てスパイスを味わう国で(日本式カレーでも)一定の需要を見込める。『ココイチ』の日本式カレーはアジアのもう一つのカレー大国であるタイでも受け入れられた。インドでは人口の10%をファンに取り込むだけでも大きな売り上げとなる。まず20年にニューデリーに1号店を出し、その後5年で10店舗、10年で30店舗を目標に拡大する計画だ」

 ―社長就任前まで長く海外事業の陣頭指揮を執ってきました。こだわったことは。
 「人材育成だ。社是の『いつもニコニコ笑顔で、キビキビ動き、ハキハキと受け答えする』(ニコ・キビ・ハキ)を徹底して浸透させた。海外の外食店はホール担当ならホール、厨房(ちゅうぼう)担当なら厨房といった具合に各従業員の仕事が固定しているのが一般的。『郷に行っては郷に従え』とよく言われるが、ホール担当でも手が空けば厨房や皿洗いを手伝うココイチのスタイルにこだわった。中国から始まり、タイやベトナムなど全世界で同じ人材教育を展開している」

 ―早ければ2年後には海外300店舗を達成できると明言しています。
 「すでに進出している国で店舗数を増やす。中国ではフランチャイズチェーン(FC)展開を加速する。現在FC店は2店舗だが早期に3ケタまで広げたい。4店舗を構える米国(本土)はロサンゼルスが中心だがニューヨークなど東海岸も検討する。併せて未進出のミャンマーやカンボジアなども調査する」

 ―すでに出店ペースを抑えている日本での今後の方針は。
 「CoCo壱番屋だけを考えると日本ではこれ以上は難しい。現在、カレーを軸にした新しい業態を検討しているところだ。今はココイチファンではない潜在的なお客さまを取り込みたい」

壱番屋社長・葛原守氏

【記者の目/海外第一人者、問われる手腕】
 壱番屋が海外展開を本格化したのは04年の中国・上海出店から。その事業担当に手を挙げたのが葛原氏だった。それから一貫して海外を担当し海外店舗は12カ国・地域に180店(7月末時点)。海外第一人者の社長就任で同社の意志は明確に示された。海外1000店に向けどう道筋をつけるか。手腕が試される。(名古屋・浜田ひかる)

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