エポキシ樹脂価格、スマホ向けで回復傾向。韓国「ホワイト国」除外の影響は?

貿易管理の見直し「当面の影響は少ない」

 エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂で、絶縁性や耐熱性、防食性に優れ、エレクトロニクス分野や金属防食塗料、建築や自動車向け接着剤などに使われている。半導体封止材向けのエポキシ樹脂では、日立化成と住友ベークライトが世界トップシェアレベルだ。海外との競争が激しくなる汎用品ではなく、ハロゲンフリーで難燃性を実現した製品や伸縮性のある製品の開発など、高付加価値品の訴求に力を入れている。

 日立化成によると、エポキシの相場価格は2018年4―6月期以降横ばい傾向だ。ただ18年3月期の相場価格と比べると、約7%高い状況が続く。スマートフォン向けでは、iPhone(アイフォーン)の販売不振の影響を受けたが、回復の傾向が見られ、エポキシ樹脂の需要増にもつながりそうだ。第5世代通信(5G)の本格化も追い風となる。

 日立化成と住友ベークライトの19年4―6月期連結決算は、18年後半からの半導体市況低迷の影響で、半導体封止用エポキシ樹脂成形材料の売上高が昨年同期比で減少。日本化薬の4―6月期連結決算は、スマートフォン向けのエポキシ樹脂が好調に推移したとしている。

 半導体生産向けでは、政府が韓国を貿易管理上の優遇措置「ホワイト国」から外す影響が指摘される。ただ日本の関係者は「手続きを粛々と進めて需要に対応する。当面の影響は少ない」としており、冷静に受け止めている。原料であるフェノールの市況は悪化傾向だったが、ここ2カ月、国内で値上げの動きが出ている。

 経済産業省がまとめた生産動態統計(確報値)によると、5月のエポキシ樹脂の販売数量は同2・4%減の1万538トンだが販売金額は同0・2%増の54億6667万円。生産量は前年同月比1・9%減の8801トン、月末在庫は同2・5%減の2万212トンだった。月間生産能力は1万7145トン、稼働率は51・3%だった。

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日刊工業新聞2019年8月7日

  

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