寿命は2倍、日本精工が食用油の劣化を抑制するフィルター

食品工場や濾過機メーカーなどと実証し、早期の商用化へ

 日本精工は食用油の劣化を抑制するフィルターを開発した。濾過機に同フィルターを装着し、油を濾過して循環利用した場合、酸化劣化による油の交換時期を他社製品と比べ2倍に延長できる。軸受などの潤滑剤の劣化に関するノウハウを活用した。食品工場や濾過機メーカーなどと実証し、早期の商用化を目指す。一方、同技術を応用し、自動車のエンジンオイルなど工業用油の劣化を抑えるフィルター開発にも順次乗り出す。

 開発したフィルターは油の劣化を防止する添加剤に、パンのふくらし粉などに使われる素材を採用。結合材には天然樹脂を使い、フィルター繊維の表面に添加剤を付着した。

 添加剤には一般に安全性が認められている物質「GRAS物質」を採用するなど、素材の安全性にも配慮した。

 ポテトチップスなどの揚げ物を、大量の食用油を専用機「フライヤー」で加熱して調理する場合に、フィルターで油を濾過して循環利用する試験を実施。開発したフィルターは他社製と比べ油が酸化劣化する速度が緩やかで、油の交換時期を2倍に延ばせることが分かった。調理時の油の使用量を減らせるほか、濾過を促す添加剤も不要で、油交換にかかるメンテナンスも効率化できる。

 日本精工は軸受などの潤滑剤の劣化を抑制するノウハウを活用し、同フィルターを開発した。車や産業機械では減速機などの潤滑用に、油を濾過循環して利用する機構が多く使われている。

 今後は食用油で確立した技術を応用し、工業用油の劣化を抑えるフィルター開発にも取り組む。

開発した食用油劣化抑制フィルター

日刊工業新聞2019年8月6日

  

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