輸出を一部許可、レジストとフッ化水素で韓国の影響は大きく違う

経産相「恣意的な運用をせずに審査を踏まえて許可を出す」

 経済産業省は8日、安全保障の観点から半導体材料3品目の韓国向け輸出手続きを厳格化した措置について、一部の製品の輸出を許可したと発表した。個別に審査した結果、軍事転用の懸念がない取引だと判断した。許可したのは半導体基板に塗布するレジスト(感光材)とされる。7月4日に貿易管理の見直し措置を発動して以降、輸出を許可したのは初めて。

 世耕弘成経産相は8日の閣議後会見で「恣意(しい)的な運用をせずに審査を踏まえて許可を出していく。禁輸措置ではない」と説明。韓国政府が「禁輸措置だ」と間違った主張を繰り返し、韓国世論をミスリードしていることに対し「不当な批判が起きていることを受け、例外的に公表する」と話し、韓国側に正しい理解を求めた。

 今回許可したレジストは半導体の回路パターンを転写する工程に使う。極端紫外線(EUV)光源など最先端プロセス向けの材料で、本格的な量産に至っておらず、そもそも韓国の半導体メーカーへの影響は少ないとみられる。一方、残る対象のうち、フッ化水素は現行のプロセスで多用し、しかも保管・貯蔵が難しいことから、輸出許可が出ないと生産計画の変更を迫られることになる。

 一方、経産省は現時点でも韓国政府の不十分な貿易管理体制が是正されておらず、信頼関係の構築の点からも逆行した動きを続けているとみている。半導体材料3品目以外でも不適切な事案が確認できれば、個別許可の対象に加える方針だ。韓国政府は日本の措置が世界のサプライチェーン(部品供給網)や消費者に悪影響を及ぼすと主張しているが、欧米など主要な最終メーカーや消費者から、そうした声は上がっていない。

  

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