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近鉄新社長が語る、「万博」直通運転の具体案

都司社長「『渡り線』を生駒駅付近に新設する」
近鉄新社長が語る、「万博」直通運転の具体案

駅構内のレイアウトなどを万博を目指し再整備(写真はイメージ、近鉄公式ページより)

 《鉄道本部の名古屋統括部長時代、グループの鉄道会社社長を兼任した経験を持つ》

 「今回は組織の大きさ、近鉄グループで求められる役割の重要さが全く違い、気の引き締まる思い。これまで鉄道本部で現場に携わってきたが、研究や間接業務を担う総合企画本部の内容も改めて掌握した上で、注力すべきところを見極めていきたい」

 《2025年の国際博覧会「大阪・関西万博」の開催地である夢洲(ゆめしま)への直通運転を検討する》

 「当社として夢洲へアクセスするため、地下鉄の中央線に乗り入れているけいはんな線と奈良線をつなぐ『渡り線』を生駒駅付近に新設する。合わせて電車を動かす電気の取り入れ方が異なるため、対応車両の開発など研究を進めている。これらが実現すれば、生駒駅は夢洲と近鉄線を結ぶ重要拠点となり、駅構内のレイアウトなど、万博を目指した再整備を検討していく」

 《近鉄グループホールディングス(HD)が中心となり、MaaS(乗り物のサービス化)の実証実験を秋から始める》

 「HDの中期経営計画で掲げる『伊勢志摩地域の活性化』の一環となる。MaaSは公共交通で快適に移動してもらうための重要な要素。きちんと機能すれば、奈良などでも展開していくだろう」

《趣味は高校生の頃から続ける剣道。近鉄沿線を起点・終点としたハイキングコースマップを活用してウオーキングも楽しむ》
都司尚氏

【略歴】つじ・たかし 82年(昭57)京大院工学研究科修士修了、同年近畿日本鉄道(現近鉄グループホールディングス)入社。15年近畿日本鉄道執行役員、16年取締役常務執行役員。奈良県出身、61歳。6月13日就任。

(大阪・新庄悠)
日刊工業新聞2019年7月29日

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