自動運転時代にブームくる!?、クルマのシートで「ゆるスポーツ」

テイ・エステックが提案

 テイ・エステックがIoT(モノのインターネット)やアプリケーション(応用ソフト)を組み合わせ、次世代シートシステムを提案している。シートにスポーツの要素を取り入れて新たな競技を考案するなどシートに座る楽しさを訴求する。「愛されるシート」と名付けたシステムとして仲間作りを進めつつ、従来の自動車用シートの役割にとどまらない社会的課題の解決にもつなげる。(文=山岸渉)

 「地球環境を考えるとシートを大切に長く使う人を増やし、座る方々を笑顔にしたい」。愛されるシートの開発を担当する商品開発部の郭裕之主幹はこう意気込む。愛されるシートは自動車用シートのセンシング技術とIoTを生かし、シートをコントローラーとして活用するシステム。さまざまなアプリと組み合わせることで、シートに座る楽しさを高める。

 その一つが世界ゆるスポーツ協会(東京都中央区)と連携して打ち出した、シートを使ったゆるスポーツ競技「緩急走」だ。ゆるスポーツとは、得意な人も苦手な人も老若男女が楽しめる新たなスポーツのこと。専用アプリとシートを連携させ、姿勢を一定に保ったまま動いてはならない「緩」コースと足腰を動かす「急」コースで、画面上のキャラクターを操作し、速さを競う。誰もが楽しめ、手軽に運動ができて健康維持にも役立つ。

 緩急走で楽しい時間を過ごせることから、自動運転が本格化する時代にも需要があるとみている。高度な自動運転が進めば、快適な空間作りの重要性が増す。緩急走は車同士での通信対戦ができることも想定しており、運動をしつつ楽しい移動時間につながる。

 座る楽しさを訴求するだけではない。新たな事業の可能性も出てきた。センシング技術などを生かして、「座った人がどんな時間に、シートでどんな動きをしたか」(郭主幹)といったデータの収集が可能だとみている。こうした情報を医療分野などに提供することも検討している。

 テイ・エステックはこのほど開催されたスポーツ・フィットネス・健康産業総合展「SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN」に初出展した。「当社は異質な出展者かもしれないが、愛されるシートのプラットフォームを広げたい」(同)との思いから出展を決めた。

 自動車業界にとどまらず、座ることをより楽しくするためのパートナー探しも積極化する。

日刊工業新聞2019年7月24日

  

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