キオクシアって何?社名から「東芝」が消えた企業たち

 東芝メモリホールディングスは18日、社名を「キオクシアホールディングス(英文表記Kioxia Holdings)」に10月1日付で変更すると発表した。傘下の事業会社の東芝メモリも同じく「キオクシア」に変える。新社名の由来は日本語の「記憶」とギリシャ語で価値を表すアクシア(axia)を合わせた。これで名実ともに東芝グループから離れることになる。

 成毛康雄社長は「社会が生み出す記憶を蓄え、活用し、新しい価値を創造して世界を変えていくという強い意志が込められている」とのコメントを寄せた。

日刊工業新聞2019年7月19日



<関連記事>
EV部品まからロボットまで。老舗重電メーカーの華麗なる変身

これから重電メーカーはどうなるの?

東芝も撤退!数少ない白熱電球メーカー、100余年の生産に幕


グループ離脱


 東芝機械は2020年4月1日付で社名を「芝浦機械」に変更する。17年3月の東芝グループ離脱を機に社名変更を検討していた。同社は芝浦製作所(現東芝)を源流とし、61年に芝浦機械製作所と芝浦工機が合併して誕生した。「芝浦」の文字は、現在も一部の工作機械に「SHIBAURA」のロゴを使うなど定着しており、新社名に採用した。

 6月下旬開催の定時株主総会を経て、変更する。なじみのある「芝浦」を社名にすることで知名度の低下を抑えつつ、「モノづくりのDNAを継承し進化する」(総務部)という思いを込めた。

 東芝は、17年3月に不正会計問題に絡む再建計画で、保有していた東芝機械株を同社に売却。持ち株比率を20%から2%まで減らした。

日刊工業新聞2019年2月25日



ブランド名生かす


 東芝クライアントソリューション(東京都江東区)は3日、3年後に新規株式公開(IPO)を目指すと発表した。今秋シャープ傘下に入っており、シャープ親会社の台湾・鴻海精密工業の調達力を活用しパソコン事業を拡大する。社名も2019年1月に「Dynabook(ダイナブック)」に変更する。中期目標で20年度に売上高は18年度見込み比2・1倍の3400億円、営業損益は70億円の黒字(18年度見込みは46億円の赤字)を掲げる。

 シャープの販路を使い、法人向けで海外営業を強化する。海外事業比率を20年度に同20ポイント増の42%に引き上げる。東芝クライアントソリューションの石田佳久会長は「(生産面でも)鴻海の力を借りるのは可能性として十分ある」と述べた。

日刊工業新聞2018年12月4日



キヤノン傘下に


  東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市、)は30日、新社名を「キヤノンメディカルシステムズ」に内定したと発表した。今後、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)など各国の変更手続きが完了する2018年初頭をめどに社名を変更する予定だ。

 東芝メディカルは1930年に東京電気(現東芝)の資本で創業して以来、X線診断装置やコンピューター断層撮影装置(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)、超音波診断装置など画像診断装置を中心に事業を展開してきた。16年3月に東芝グループを離脱し、同年12月にキヤノングループの一員となったことを受け、社名の変更を検討していた。
日刊工業新聞2017年1月31日

“日の丸連合”誕生で


 政府系ファンドである産業革新機構(東京都千代田区)と東芝、日立製作所、ソニーの4社は31日、中小型液晶ディスプレー事業の統合新会社設立に合意したと発表した。新会社は産革機構が70%を出資する『日の丸液晶』として世界市場をリードする計画。経営トップは外部から招く。新たに2000億円を投資して生産体制を一新する一方で、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)などの次世代技術開発にも取り組む。

 新会社「ジャパンディスプレイ(予定)」には東芝、日立、ソニーがそれぞれ10%ずつを出資。各社の液晶事業子会社の株式をすべて新会社に譲渡する。3社からはそれぞれ新会社に社外取締役を派遣する。今秋にも正式契約し、12年春に事業統合を完了する。従業員数は合計で約7600人。

 中小型液晶は、スマートフォンやタブレット型端末向けの高精細・高付加価値パネルの急成長が見込まれている。海外の競合メーカーは大規模投資を計画しており、日本でも競争力強化に向けて政府が業界を主導する。

 新会社社長の人選を進めており、産革機構の能見公一社長は「企業統合のマネジメント経験があり、技術や営業に精通している人」を条件を挙げた。生産拠点の統廃合は当面計画していない。

 ソニーはすでに大型の有機ELディスプレーを事業化しており、有機EL関連の事業資産は新会社へ移管しない。ただ、「特許をライセンス供与する」(吉岡浩ソニー副社長)ことで、新会社の技術開発を支援する。

≪解説≫
 難航してきたエレクトロニクス大手3社の液晶事業統合は、産業革新機構が70%を出資するという異例の形で決着した。最新鋭の生産ラインの構築費用を政府が提供するのと同じことだ。だがそもそも、統合の真のメリットは何だろうか。

 液晶や半導体に代表される装置産業は、規模がモノを言うと考えられてきた。投資額が大きいだけに規模が小さいと最先端を維持できない。

 しかし半導体で日本企業が経験してきた歴史を見れば、規模は生存の十分条件ではない。業績が苦しい部門を統合して規模を倍にしても、すぐに縮小に向かう。規模拡大が統合の目的なら、またもや日本勢の敗退を見る懸念が捨てきれない。

 新会社が取り組まなればならないのは、価格競争力を含めた技術力を磨き世界で勝てる商品を生み出すことだ。政府の手厚い支援を受けた以上、成功に向けて全力を尽くしてもらいたい。また産業革新機構は従来のように出資比率を50%未満に抑え、経営の主導権を持たない方針を転換して統合の旗振り役となった。その意味でも新会社は未知の領域への挑戦であり、成果と責任が問われることになろう。
左から革新機構・能美氏、東芝・佐々木氏、日立・中西氏、ソニー・吉岡氏

日刊工業新聞2011年9月1日


※内容・肩書きは当時のもの

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。