NTTや札幌市などが発足、官民でデータ共有する社団法人は何を生み出すか

「札幌圏地域データ活用推進機構」(SARD)

 札幌市と北洋銀行、NTTなど11の自治体・企業は17日、参加自治体・企業が持つデジタルデータを共有して利活用する一般社団法人「札幌圏地域データ活用推進機構」(SARD)を同日付で設立したと発表した。札幌市を訪れた観光客の行動履歴や購買データを分析し、的確な観光マーケティングにつなげる。政令指定都市で官民データの利活用に向けた社団法人を設立するのは初めて。(文=編集委員・水嶋真人)

 理事長には札幌市の町田隆敏副市長が就く。入会金は当面無料、会費は月1000円から。北海道銀行、北海道新聞、札幌商工会議所、札幌観光協会、さっぽろ産業振興財団、イオン北海道、フュージョン、北海道アルバイト情報社も会員になる。

携帯の情報分析


 会員企業は、札幌市内の携帯電話の利用状況から分析した国籍・時間帯・エリア別の観光客滞留データを利用可能。札幌市内の商業施設5社が持つ国籍・店舗・商品別の売上高、ホテル・旅館11社の国籍・月別の稼働率、観光施設10社の国籍・月別の入場者数データも利用できる。

決済データ利用


 このほか、経済産業省や札幌市の補助金を元にキャッシュレス決済用の端末などを札幌市内の飲食店1000店舗を目標に無償提供。同決済で集めたデータも利用できるようにする。

 これらのデジタルデータはデータ収集基盤「札幌市ICT活用プラットフォーム」に集められ、人工知能(AI)を用いて分析可能にする。会員企業は観光客に関するさまざまなデジタルデータを活用した的確なマーケティングを行えるようになる。

パートナー契約


 NTTは2015年9月に札幌市と街づくりのパートナー契約を結び、官民のビッグデータ(大量データ)を活用して商業・観光などの課題解決に取り組んできた。米アマゾンや米グーグルなどのIT巨大企業「GAFA」を念頭にビッグデータの所有権に関する問題が浮上している。NTTはデータの所有者は自治体やデータ提供企業という、海外IT大手とは異なる着想で国内外のスマートシティー(次世代環境都市)化ビジネスを推進する。

日刊工業新聞2019年7月18日

  

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