ちゃんと体洗えている?数字で評価、高齢者の自立能力見定め

広島大・産総研がシステム開発

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(左)IMUと半紙での計測。黒ベルトにIMUが搭載されている(右)人体シミュレーションの洗浄判定結果(いずれも広島大提供)
 広島大学の栗田雄一教授と産業技術総合研究所人工知能研究センターの多田充徳デジタルヒューマン研究チーム長らは、慣性計測センサー(IMU)で全身運動を計測し、自分で体を洗えているかを測るシステムを開発した。IMUのデータから全身の動きを再現して、ボディーブラシでこすった部位を推定する。IMUならトイレや食事などの評価も可能。高齢者や要介護者の自立生活能力の評価に提案していく。

 IMUを頭や手、足など15カ所に着けて動きを計測する。このデータと人体シミュレーションを組み合わせて、全身の動きを再現する。ボディーブラシで体を洗う動作では、ブラシの接触箇所を定量的に記録できる。

 実際に体に半紙をまとい、ぬらしたブラシでぬぐって、接触推定の精度を検証。半紙がぬれたエリアと接触推定のエリアを照合し、90%以上の精度で判別できる判定条件が求められた。現在は接触を洗浄と判定しているが、今後ブラシにかかる力を推定するなど評価の質を高めていく。

 リハビリや介助量を決める際の生活能力の評価は専門家が見て判断していた。定量的に評価できると評価者によるバラつきを減らせ、介護医療費の適正化につながる。IMUは計測する場所を選ばず、トイレや食事などの生活シーンにも利用できる。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援で研究を実施した。

日刊工業新聞2019年7月15日

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