「ZOZOMAT」に生かされた、あの“スーツ”の反省とは?
着用してスマートフォンで撮影するだけで全身のサイズが計測できると話題になり、申込者が殺到した「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」。それから約1年半を経た2019年6月、「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するゾゾが新たに発表されたのが足のサイズを測定できる「ZOZOMAT(ゾゾマット)」だ。その狙いはゾゾスーツとは異なり、オープンイノベーションの意味合いが強いという。
ゾゾマットは撮影時足を載せる専用マットとアプリで構成される。まずアプリを起動しマットの所定の位置に足(裸足が推奨されている)を載せカメラで計測位置をセット。アプリの指示に従ってマットに配置されたそれぞれの色の方向からカメラで足を撮影する。すべての方向から撮影し終わると測定結果が3D表示される。基本的な足長、足幅から足甲の高さやふまず長さ(土踏まずの長さ)など数項目の詳細なサイズを知ることができる。慣れれば両足2分ほどで計測が完了するという。
現在先行予約を受け付けており、2019年秋冬に順次発送する予定。すでに初日に20万件を超える注文があった。サービス開始時には足の3D計測ができることは決まっているが、アプリの内容やデータをゾゾタウンで活用できるかなどは検討中。
ではなぜ、サービス全体を明確にしていない段階でゾゾマットを公表したのか。MSP事業推進本部の常井康寛本部長は「技術公開という形で、靴に関する事業者とともに新ビジネスに取り組めればと考えている」と話す。靴に関する事業者に幅広く協業を求めており、すでに問い合わせも多いという。「靴のブランドやメーカーに限らず、インソールに特化した事業者や医学的な分野の方、高齢者向けや子ども向けの事業者など、幅広い方からお問い合わせをいただいている」(常井氏)。
ゾゾマットはゾゾスーツと同時並行で開発が進められていた。ゾゾスーツはゾゾのプライベートブランド(PB)強化戦略の一環で、体型計測ツールとして発表されたが、今回ゾゾマットはPBで靴を売り出す予定はない。狙いは靴のブランド・メーカーのさらなる出店だ。現在ゾゾタウンの中で靴の取扱高は年間361億円で、全体の12%を占める。「決して少なくない数字だととらえているが、成長の余地はある」(常井氏)。さらに服に比べて靴のECはサイズに不安がありハードルが高いという顧客アンケート結果もあり、靴のECをさらに成長させるためにも足の詳細な計測サービス開発が急がれていた。
またゾゾでは現在マルチサイズプラットフォーム(MSP)事業に注力している。「あこがれのブランドを理想のサイズで」をコンセプトに掲げ、出店ブランドと共同開発した商品のサイズを20~50サイズに細かく設定し、ユーザーニーズの多様化に応えることを目標にしている。「MSP事業の上で靴分野でもゾゾマットが役立つのではと考えている」(常井氏)。
ゾゾスーツのサービスで学んだことも、ゾゾマットには多く取り入れられた。ゾゾスーツは「着用型」ならではのネックがあった。体型によってスーツのサイズも異なるため家族で共用できないことや、顧客側でも計測時に着用するなどの大変さがあった。ゾゾマット開発時も靴下型なども考えられたというが、マットにすることで誰でも簡単に計測できるようになったという。「マットに印刷されたデザインがあれば、PDFをサイト上からダウンロードしてプリントアウトすることや紙媒体の広告として使用することもできる」(常井氏)。
さらにゾゾスーツのサービス開始当初、製造の大幅な遅れやコストがかさんだことでの仕様変更などの問題が発生した。ゾゾマットではコストや製造工程の検証により注力した結果このようなサービスの形になったという。
将来的には、顧客の足のデータをもとに最適な靴を提案するシステムを目指している。高齢者など、今までECを利用してこなかった層にもゾゾマットを周知し、同時にECサイトで靴のブランドや商品・サービスの拡充にも注力していく。
「#KuToo」運動などで社会的にも靴に意識が向いている。LGBTQなどで履きたいデザインのサイズが合う靴が見つからない人や、病気や障害にあった靴が必要な場合もあるだろう。ECで靴を買うメリットとしては膨大な数の靴を選べることがある。ゾゾマットが自分に合った快適な靴を選べる一助になるかもしれない。
足の3Ⅾ計測を手軽に
ゾゾマットは撮影時足を載せる専用マットとアプリで構成される。まずアプリを起動しマットの所定の位置に足(裸足が推奨されている)を載せカメラで計測位置をセット。アプリの指示に従ってマットに配置されたそれぞれの色の方向からカメラで足を撮影する。すべての方向から撮影し終わると測定結果が3D表示される。基本的な足長、足幅から足甲の高さやふまず長さ(土踏まずの長さ)など数項目の詳細なサイズを知ることができる。慣れれば両足2分ほどで計測が完了するという。
現在先行予約を受け付けており、2019年秋冬に順次発送する予定。すでに初日に20万件を超える注文があった。サービス開始時には足の3D計測ができることは決まっているが、アプリの内容やデータをゾゾタウンで活用できるかなどは検討中。
ではなぜ、サービス全体を明確にしていない段階でゾゾマットを公表したのか。MSP事業推進本部の常井康寛本部長は「技術公開という形で、靴に関する事業者とともに新ビジネスに取り組めればと考えている」と話す。靴に関する事業者に幅広く協業を求めており、すでに問い合わせも多いという。「靴のブランドやメーカーに限らず、インソールに特化した事業者や医学的な分野の方、高齢者向けや子ども向けの事業者など、幅広い方からお問い合わせをいただいている」(常井氏)。
靴をECで買うハードル
ゾゾマットはゾゾスーツと同時並行で開発が進められていた。ゾゾスーツはゾゾのプライベートブランド(PB)強化戦略の一環で、体型計測ツールとして発表されたが、今回ゾゾマットはPBで靴を売り出す予定はない。狙いは靴のブランド・メーカーのさらなる出店だ。現在ゾゾタウンの中で靴の取扱高は年間361億円で、全体の12%を占める。「決して少なくない数字だととらえているが、成長の余地はある」(常井氏)。さらに服に比べて靴のECはサイズに不安がありハードルが高いという顧客アンケート結果もあり、靴のECをさらに成長させるためにも足の詳細な計測サービス開発が急がれていた。
またゾゾでは現在マルチサイズプラットフォーム(MSP)事業に注力している。「あこがれのブランドを理想のサイズで」をコンセプトに掲げ、出店ブランドと共同開発した商品のサイズを20~50サイズに細かく設定し、ユーザーニーズの多様化に応えることを目標にしている。「MSP事業の上で靴分野でもゾゾマットが役立つのではと考えている」(常井氏)。
ゾゾスーツの反省
ゾゾスーツのサービスで学んだことも、ゾゾマットには多く取り入れられた。ゾゾスーツは「着用型」ならではのネックがあった。体型によってスーツのサイズも異なるため家族で共用できないことや、顧客側でも計測時に着用するなどの大変さがあった。ゾゾマット開発時も靴下型なども考えられたというが、マットにすることで誰でも簡単に計測できるようになったという。「マットに印刷されたデザインがあれば、PDFをサイト上からダウンロードしてプリントアウトすることや紙媒体の広告として使用することもできる」(常井氏)。
さらにゾゾスーツのサービス開始当初、製造の大幅な遅れやコストがかさんだことでの仕様変更などの問題が発生した。ゾゾマットではコストや製造工程の検証により注力した結果このようなサービスの形になったという。
将来的には、顧客の足のデータをもとに最適な靴を提案するシステムを目指している。高齢者など、今までECを利用してこなかった層にもゾゾマットを周知し、同時にECサイトで靴のブランドや商品・サービスの拡充にも注力していく。
「#KuToo」運動などで社会的にも靴に意識が向いている。LGBTQなどで履きたいデザインのサイズが合う靴が見つからない人や、病気や障害にあった靴が必要な場合もあるだろう。ECで靴を買うメリットとしては膨大な数の靴を選べることがある。ゾゾマットが自分に合った快適な靴を選べる一助になるかもしれない。