【再掲載】もろさ7割減、割りにくいガラスの構造

旭硝子(現AGC)・東京理科大が作製手法を開発

(写真はイメージ)
 旭硝子(現AGC)技術本部先端技術研究所の前田敬特別研究員と東京理科大学の安盛敦雄教授らは、ガラス内部に板状の微結晶を無数に成長させ、割れにくいガラスを作る手法を開発した。ガラスに亀裂が入っても結晶にぶつかって亀裂の方向が変わるため、伸長しにくい。板状結晶を作る元のガラスに比べ、もろさを7割低減できた。

 酸化カルシウム・酸化アルミニウム・酸化ケイ素系のガラスに、酸化モリブデンを0・05%、グラファイトを0・4%添加し、熱処理すると板状結晶が析出した。結晶は厚みが数百ナノメートル(ナノは10億分の1)、大きさは数十マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。モリブデンが炭素に還元されて金属粒子になり、結晶核となって板状に成長したとみられる。

 ガラスに亀裂が入ると板状結晶によって方向が変わり、ジグザグに亀裂が進む。通常のガラスは亀裂の伸長を妨げる要素がない。

 板状結晶はガラス全体の3割程度を占め、ランダムに並んでいる。モリブデン粒子に色があり、濁ったガラス材料になっている。

(電子顕微鏡写真、旭硝子提供)          

日刊工業新聞2017年3月17日

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