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セブン―イレブン、今日「沖縄」初出店。拡大余地はどこまで?

迎え撃つファミマ、ローソン
セブン―イレブン、今日「沖縄」初出店。拡大余地はどこまで?

沖縄で販売されるゴーヤーチャンプルー丼

 11日にセブン―イレブンが最後の空白県だった沖縄県で開業する。1号店を1987年に開店したファミリーマート(6月末の店舗数325店)、97年に開店したローソン(同232店)が現地で迎え撃つ。

 セブン―イレブン沖縄(那覇市)は那覇市や糸満市など沖縄県内に14店舗(那覇市内7店、糸満市内3店、豊見城市内2店、北谷町1店、八重瀬町1店)をオープンする。全国で沖縄県だけが空白地だったが、今回の出店で国内の全都道府県を網羅する。2024年7月までに沖縄県内で250店の出店を計画。出店を記念して、県産材料を使った「ポーク玉子おむすび(ツナマヨネーズ)」(消費税込み237円)や「ゴーヤーチャンプルー丼」(同496円)などを県内限定発売する。

 うるま市にデザート専用工場を新設、工場運営はフリジポート(うるま市)が担う。同工場から店舗へオリジナルの製品を供給する。米飯や総菜の製造は、武蔵野沖縄(浦添市)が担当する。

 また沖縄県では、加盟店が本部に支払う「ロイヤルティー(経営指導料)」の負担を引き下げる特別措置を設ける。ロイヤルティーの体系は本土と同じだが、売上高から売れた商品の仕入れ価格を引いた「売上総利益(粗利益)」の5%分を沖縄では減額する。

 沖縄は本土から商品を運ぶ物流費が掛かる上、現地の原材料費も高く、粗利益が小さくなる。ロイヤルティーを減らすことで加盟店の負担を軽減し、本土の店と不公平にならないよう配慮する。

 特別措置は開業後15年の期間限定で適用する。例えばオーナーが土地などを自分で用意する契約で、粗利益が100万円の場合、本土のロイヤルティーは42万円。沖縄はここから5万円を引き、37万円となる計算だ。

 沖縄県は人口増加率が全国トップで、共働き世帯や外国人観光客が多い。このためフライドチキンやおでん、沖縄限定のソーメンチャンプルーなどソウルフードがよく売れる。

 先行進出と地元密着で収益を上げてきたファミマとローソンに戦いを挑むセブンは、おにぎりや総菜、デザートの専用工場を県内に整備し、本年度は50店、今後5年間で計250店の出店を計画する。消費に力があり、まだまだ収益アップが見込める沖縄が激戦区となるのは間違いない。

 このように沖縄では新たな競争に突入した3社だが、19年度の全国の新規出店計画は慎重だ。慢性的な人手不足による短時間営業問題を抱える中、セブンの新規出店は18年度より498店少ない900店。閉店も含めた純増は100店にとどまる。

 ファミマの純増数も126店で、ローソンに至ってはゼロだ。各社が一定エリアに集中出店するドミナント戦略によって、フランチャイズ加盟店の収益悪化が問題になっていることが大きい。

  19年度は新規出店を抑え、既存店へ集中投資を実施する。設備投資額のうち、セブンは60%、ファミマは85%を既存店投資に充てる。ローソンも同様で、全店にセルフレジなどの省力化設備を導入する。

 20年度以降の新規出店数は公表していないが、3社だけで既に5万1000店舗を超え、24時間営業問題の解決策もはっきりしない現状では、沖縄以外で大量出店は難しそうだ。
セブン―イレブン・ジャパン公式ページより
日刊工業新聞2019年7月11日の記事に加筆

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