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崩壊する前に訪れたい“幻の橋” タウシュベツ川橋梁(北海道上士幌町)

 樹海を切り開き、北海道開拓の礎となる一筋の道。1939年、林業で潤う街へ期待と希望をつなぐべく旧国鉄士幌線(現在は廃線)が開通。路線は山間の川沿いに作られたために多くの橋が架けられた。中でも糠平ダム建設のため、わずか16年でその役目を終えてしまった「タウシュベツ川橋梁」(北海道上士幌町、写真)は11連のアーチが美しく、ダムの水位により見え隠れすることから「幻の橋」とも呼ばれ人気だ。

 

 しかし、橋梁は80年を超える月日の中で自然環境や災害による劣化により、いつ崩壊してもおかしくない状況。在りし日の姿を心に焼き付けようと観光客が増え続けている。

 

 NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターの上村潤也さんは、「本来であれば補修工事を行いたいところだが、あえて保存措置を取らず『朽ちゆく遺構の美』として見守っていただければ」と話す。(文・写真=田山浩一)
 
日刊工業新聞2019年7月4日

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