大阪万博の寄付金に苦慮…「オール関西」で協力なるか?中小や個人にも呼びかけ

寄付のハードル高まる

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万博開催時の夢洲(イメージ)
 関西の経済界が2025年の国際博覧会「大阪・関西万博」において、企業や地域に求める会場建設費の寄付額を固めようとしている。京都商工会議所の立石義雄会頭(オムロン名誉会長)が、大阪商工会議所の尾崎裕会頭から負担を要請されたと表明した。大商は中小企業や個人にも寄付を呼びかける考え。寄付先の受け皿も未定だが、迅速な資金集めに向け根回しを進めている。(取材・田井茂)

 大阪・関西万博の会場建設費は約1250億円。国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ分担し、開催地の関西経済界は率先して経済界の半分を負担する。関西経済連合会、大商、関西経済同友会の関西経済3団体が5月に「万博募金促進委員会」を設立し、寄付集めを担っている。

 これまで関西の地域別の分担は示されていなかったが、京商の立石会頭が6月24日の会見で京都の経済界に30億円、神戸の経済界に20億円を想定額として要請されたことを明らかにした。神戸商工会議所は要請の有無をまだ明らかにしていないが、「オール関西」での資金協力が整いつつある形だ。

 ただ、万博は国家事業でも開催地の大阪と他都市に「温度差」があるのも確かだ。寄付金集めを主導する関経連の松本正義会長も「大阪で開くので、大阪が汗をかく」と強調する。寄付の想定額が高い順も松本氏が会長を務める住友電気工業が20億円、関西電力が15億円、りそな銀行が10億円などと、在阪の企業が中心だ。「京都や神戸の主要な企業に想定される寄付金は大阪に比べ少ない」(金融関係者)と、関心の低さが指摘される。

 そこで、少額の寄付を幅広く求めるアイデアも出ている。大商の尾崎会頭は「中小企業に万博で取り組みたいテーマを聞き、資金も募る方法がある。個人の寄付やインターネット募金のクラウドファンディングも考えられる」と説く。大手企業だけに頼らず、中小や個人の参加意識を高める草の根の効果も見込める。

 関西経済3団体は経済界の残る建設費負担分を、経団連と住友グループ親睦団体の白水会に半分ずつ要請する。関西経済界と経団連の両方に属する企業からは「二重の寄付にならないよう万博募金促進委が調整してほしい」との声も聞こえる。

 全額を損金に算入できる寄付の受け皿先も決まらないと、企業は寄付できない。25年日本国際博覧会協会などが候補だが、国が受け皿をいつ定めるかは未定。景気の不透明感が増し寄付のハードルは高まるが、受け皿が整うまで水面下の調整を余儀なくされそうだ。

日刊工業新聞2019年7月1日(政治・経済)

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