ブームなるか、アサヒが挑むあえての「瓶ビール」戦略の中身
直接飲用スタイル提案
瓶ビールの人気に火をつけろ―。アサヒビールが瓶ビールの強化に乗り出した。4月に発売した小瓶のビールを若者や女性をターゲットにグラスに注がず直接飲むスタイルの提案を始めている。また、友人とのコミュニケーションや自分のペースで飲む瓶ビールの価値を強調する販売促進策「あえてのビン」の全国展開もスタートした。業務用ではジョッキ、一般向けでは缶が主流になる中、瓶ビールの新たな可能性を広げる戦略だ。(文=編集委員・井上雅太郎)
“カンパイ”のかけ声に合わせ、瓶同士を重ねる小気味よい音が響いた。これはある金曜日のビアガーデンの光景。それぞれの手には、ビールジョッキではなく小瓶ビール「アサヒスーパードライ ザ・クール」が握られている。「女性でも飲みやすいビール」といった声が聞かれた。
アサヒは同商品を小瓶(330ミリリットル)限定で発売。グラスに注がずに直接飲用するスタイルを提案している。瓶から飲みやすいように苦味が強すぎないように調節した。
欧米では小瓶のビールを直接飲用するのは映画やドラマでもよく知られている。ただ、日本ではビールをグラスやジョッキに注ぐことがほとんどだ。
同社ビールマーケティング部の担当者は「若者には外国ビールなどを瓶で飲用するスタイルが親しまれている。ザ・クールはスポーツバーなど向けが中心だが、今後はビアガーデンなど広い業態にも提案する」とし、小瓶のスタイルの定着を狙う。
一方、料飲店向け瓶ビールの拡販にも力を入れる。これまで宴会などの飲用シーンが大半だったが、「あえてのビン」をキーワードに少人数でのコミュニケーションツールや自分のペースで飲める価値を訴求する。
あえてのビンをマンガにした店頭用ポスターや、PRする短冊などを配布する。アサヒは“とりあえずビール”に代わる新たなキーワードとして認知を高めたいとする。
あえてのビンを採用した店舗では、「ポスターの雰囲気が良い」「(商品名でなく)“あえてのビンください”と注文が入るようになった」と好評だという。
“カンパイ”のかけ声に合わせ、瓶同士を重ねる小気味よい音が響いた。これはある金曜日のビアガーデンの光景。それぞれの手には、ビールジョッキではなく小瓶ビール「アサヒスーパードライ ザ・クール」が握られている。「女性でも飲みやすいビール」といった声が聞かれた。
アサヒは同商品を小瓶(330ミリリットル)限定で発売。グラスに注がずに直接飲用するスタイルを提案している。瓶から飲みやすいように苦味が強すぎないように調節した。
欧米では小瓶のビールを直接飲用するのは映画やドラマでもよく知られている。ただ、日本ではビールをグラスやジョッキに注ぐことがほとんどだ。
同社ビールマーケティング部の担当者は「若者には外国ビールなどを瓶で飲用するスタイルが親しまれている。ザ・クールはスポーツバーなど向けが中心だが、今後はビアガーデンなど広い業態にも提案する」とし、小瓶のスタイルの定着を狙う。
一方、料飲店向け瓶ビールの拡販にも力を入れる。これまで宴会などの飲用シーンが大半だったが、「あえてのビン」をキーワードに少人数でのコミュニケーションツールや自分のペースで飲める価値を訴求する。
あえてのビンをマンガにした店頭用ポスターや、PRする短冊などを配布する。アサヒは“とりあえずビール”に代わる新たなキーワードとして認知を高めたいとする。
あえてのビンを採用した店舗では、「ポスターの雰囲気が良い」「(商品名でなく)“あえてのビンください”と注文が入るようになった」と好評だという。
日刊工業新聞2019年6月25日