株式ネット取引が半年で175兆円に、増える口座をけん引するシニア層

証券各社のサービス競争激化

 日本証券業協会(日証協)がまとめた会員対象のインターネット取引に関する調査によると、2018年10月から19年3月までのネットを経由した株式現金取引、信用取引の売買代金は175兆789億円だった。18年9月末の前回調査に比べて22・4%増えた。ネット取引の口座数の増加が続いており、証券各社のネットによるサービス競争が激しくなりそうだ。

 調査対象の会員261社のうち、ネット取引を手がける会員が77社で前回調査から2社増えた。全会員の株式委託取引の売買代金に占めるネット取引の比率が前回調査比4・3ポイント増の23・6%。個人と法人を合わせた口座数も同4・1%増の2693万件に伸びている。

 ネット取引の口座を開設するのは主に40―50代だ。年代別の口座数で全体の4割を超える。また有残高口座数(残高が1円以上の口座)では60―70代以上が約4割を占めていて、ネット取引がシニア層にも普及してきている。スマートフォンを使った取引の手軽さや低い手数料などを背景に、ネット取引が拡大する可能性は高い。

 そのため、ネット専業証券が形成してきた市場を大手証券も虎視眈々(たんたん)と狙っている。大和証券グループ本社はスマホを生かした金融サービスの展開を見据えて新会社を設立。20年春に開業し、国内株の少額取引に対応する予定。野村ホールディングス(HD)もLINEと証券事業の準備を進めている。

 日証協によるとネット取引を準備もしくは検討している会員が9社という。証券各社の事業モデルの転換が加速しそうだ。

                   

日刊工業新聞2019年6月25日

  

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