肌の悩みは乾燥だけじゃない…「てかり」対策に変革の時

化粧品各社が動き出した

 「乾燥」とともに女性の肌悩みとしてあげられる「てかり」。特に気温が高くなるこれからの時期は、対策が欠かせない。従来はてかりの元となる皮脂を取り除くしかなかったが、コーセーは皮脂の分泌自体を抑える化粧水「ワンバイコーセーバランシングチューナー」を開発、発売した。また資生堂はリキッドでもパウダーでもない“水ファンデーション”を開発した。皮脂が分泌されても油と水は混ざらないため、化粧が崩れにくいという。(文=門脇花梨)

コーセー、皮脂分泌抑える化粧水


 皮脂呪縛からの解放を目指す―。コーセーは、日本で唯一、皮脂の分泌を抑制する効果が認められた「ライスパワーNO.6」を活用し、てかりにくい肌になる化粧水を開発した。皮脂は出たモノを拭うしかないという固定観念を覆し、てかりや化粧崩れへの恐怖から解放する。

 皮脂は皮脂腺の中にある脂腺細胞が脂質合成し、油滴を放出することで肌表面に現れる。ライスパワーNO.6は、この皮脂合成を抑制する。過剰な皮脂はニキビや炎症の原因となる。健康な肌という観点からも、皮脂が出すぎる人の皮脂量を減らすのは重要だ。

 コンシューマーブランド事業部コンシューマーブランド企画部企画2課の西山祐未さんは「使ってもらうと、皮脂の分泌が抑えられただけでなく毛穴の目立ちも低減した。保湿成分も入っているため、皮脂を抑えつつも乾燥しない。バランスのいい肌を体験してほしい」と話す。てかりは男性の肌の悩みの一つでもあり、男女問わず広く使用を訴求する。

資生堂、化粧崩れ防ぐファンデ


 資生堂は化粧品ブランド「インテグレート」から、皮脂や汗に強く化粧崩れしにくいファンデーション「水ジェリークラッシュ」を販売している。べたつくリキッドとも乾燥するパウダーとも違う、全く新しいファンデーションだ。

 色のついた粉とトリートメント成分を水をはじくカプセルの中に入れ、水ジェリーの中に配合した。目の細かい網の上からパフでとってジェリーを崩し、肌に塗る。余分な水分が蒸発すると、肌の上でジェリーが復元する。ピタッと肌に密着するという。

 復元したジェリーは水ベース。油と混ざらないため、皮脂が出ても混ざらず落ちにくい。また塗布時の圧力でカプセルも壊れる。ジェリー内に中の成分と粉が広がり、均一できれいな肌に仕上がる。粉は水をはじく性質で、汗をかいても落ちにくい。

 グローバルイノベーションセンターインキュベーションセンターの久保田俊研究員は「使用感から着想して作ったら、化粧崩れしにくいものができた。ゼリーを裏ごしするような感覚を楽しんでほしい」と笑顔をみせる。

 これまで乾燥ばかりが注目されていたスキンケア市場。皮脂の分泌量が多い人には、自分に合う化粧品が見つからないとの悩みがついて回った。働く女性が増えている今、皮脂を拭う時間や化粧直しの時間を少なくしたいという要望も多い。ニーズがありながら手つかずの市場の攻略へ、各社動きだしている。

日刊工業新聞2019年6月25日

  

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