残りの大型連休は寝て過ごすという人へ。睡眠について考えてみませんか?
最新ソリューションやロボット、研究を紹介
忙しいとついつい削りがちになる睡眠時間。大型連休は日ごろの睡眠不足を取り戻すために、とにかく寝るという人も多いのではないでしょうか。最近では睡眠の質を上げるためにさまざまな研究や取組みが進んでいます。
パナソニックと西川産業(東京都千代田区)は、ベッドや家電が連動することで快眠を促すサービスを秋に立ち上げる。ベッド周辺のセンサーで利用者ごとの睡眠パターンを学習し、エアコンの温度や照明の明るさを調整して目覚めを良くする。睡眠は生産性や健康に関わり、働き方改革の点でも注目度が高い。家電と寝具の大手2社のコラボレーションにより、質の高い睡眠環境を提供する。
ベッドに内蔵した圧力センサーで眠りの状態を分析し、結果をスマートフォンで表示する。生活習慣を入力すれば、「夜にカフェイン入り飲料を控える」、「運動をすると寝付きが良くなる」といったアドバイスも得られる。
家電連携では、枕元の温度センサーにより寝ている人付近の温度を測り、起床前に温度を上げる。神奈川県藤沢市の住民の協力で実証試験をし、制御方法を確立した。6月には起床前の明るさと個人ごとの目覚めの良さを学習し、照明を制御する仕組みも実証試験する。
利用者の生活習慣を学習した上でカフェインを含まないコーヒーや、美容液などの商品をスマホ画面に表示する仕組みも20年以降に導入する方針。さらに飲料や化粧品メーカーに広告スペースを貸し出すビジネスモデルも検討する。
パナソニックと西川産業は18年3月に提携し、今回のサービスを開発した。日本は先進国の中で韓国に次ぎ睡眠時間が短い。快眠に焦点を当てた寝具や家電が増えているが、室内環境全体を制御する仕組みはなかった。
パルスボッツ(東京都目黒区、美馬直輝社長、03・6407・8852)は、睡眠サポートロボット「ネモフ=写真」の追加生産を決定した。2018年10月にクラウドファンディングを通じ、限定100台で売り出したところ、14時間で完売。需要があると見て追加生産を決めた。台数は数百台という。顧客の声に応え、色を前回の白、黒に加え、マーブル2色を加えて計4種にする。消費税込みの価格は2万9700円。
ネモフは球体状で幅、高さとも約17センチメートル。寝室の暗やみに置き、なでると現在の時刻を声で教える。5種類のオルゴール音楽を奏でたり、眠気を誘うオリジナルの話を計16種、語って聞かせたりして眠気に誘う。翌朝の目覚まし機能もあり、仕事に疲れた人のいやし需要を見込む。
日刊工業新聞2019年3月27日
社員の睡眠に企業が大きな関心を寄せている。福利厚生で睡眠改善サービスを利用できる企業も増えてきた。長距離運転ドライバーのような睡眠の重要さが明白な業種だけでなく、運用型ゲーム開発のような新しい業界も睡眠に注目しているという。
帝人で企業向け睡眠改善サービスを担当するデジタルヘルス事業推進班長の濱崎洋一郎氏は、「4月のサービス発表後、予想と違う業種から引き合いが多くて驚いた」と話す。
同社のサービスは、個人の睡眠傾向に合わせて改善策を提供する。アンケートなどで個人の睡眠傾向を分類し、睡眠傾向を分類。軽度の不調にはスマートフォン用アプリで改善策を助言し、緊張して眠れない人には、腹部に巻くベルト型センサーで呼吸パターンを測定し、睡眠を促す音楽などを流す。
当初は運送業や建築業からの引き合いを想定していたが、強く興味を示したのは、Eコマースや運用型ゲームといった24時間・365日サービスを提供するIT企業だった。こうした企業は休養のリズムが狂いやすい上、「ゲーム業界には、好きで私生活も仕事でもゲームをする人が少なくない」(濱崎氏)。仕事も遊びもやりすぎてしまい、気づかないうちに睡眠不足で体と心に負荷がたまる。好調な時は問題が出てこないが、仕事でつまずいた時に心が折れやすくなる。
そのため、会社側が「仕事に積極的なのはありがたいが、計画的に休みを取るように介入しないと心配だ」と考えるようになったようだ。気づかずに仕事をやりすぎるのは、ゲーム業界に限らず、好きな事を仕事にした人にも起きる可能性がある。「意識的に休みを取ってほしい」(濱崎氏)と呼びかける。
一方、帝人へ直接連絡をくれた中小企業の経営者らもいた。事業の進捗や資金繰り、従業員の管理などの重圧を一人で受けているため、「社長向けに、もっと手厚いプランがあってもいいのかもしれない」(同)と話す。
政府統計などの調査では、職種の違いによって睡眠時間や質に違いがあることが報告されている。運転者のように長時間の注意力の求められる職種や、接客や介護のような感情労働、そして知的労働。「今後、個人の睡眠データの分析が進むことで、業種ごとに最適なきめ細かな睡眠支援ができるようにしたい」(同)という。
企業の中で睡眠に問題があるのは、5人に1人程度だとみられており、「まずその人を見つけ、しっかりケアすることが大事」(同)と説明する。
自分の睡眠が気になる人は、自分で簡単に調べる方法もある。濱崎氏は睡眠改善インストラクターの資格を持っており、「まず自分の睡眠習慣を知ることから始めてほしい」と話す。まず、何時に寝て、何時に起きたか毎日記録を付ける。平日と土日の睡眠時間の差が大きいほど、睡眠不足の負荷がたまっている。平日に15分ずつでも早く寝る習慣を積み重ねれば睡眠は変わるという。
家電と寝具のコラボレーションで、上質な睡眠が手に入る?!
パナソニックと西川産業(東京都千代田区)は、ベッドや家電が連動することで快眠を促すサービスを秋に立ち上げる。ベッド周辺のセンサーで利用者ごとの睡眠パターンを学習し、エアコンの温度や照明の明るさを調整して目覚めを良くする。睡眠は生産性や健康に関わり、働き方改革の点でも注目度が高い。家電と寝具の大手2社のコラボレーションにより、質の高い睡眠環境を提供する。
ベッドに内蔵した圧力センサーで眠りの状態を分析し、結果をスマートフォンで表示する。生活習慣を入力すれば、「夜にカフェイン入り飲料を控える」、「運動をすると寝付きが良くなる」といったアドバイスも得られる。
家電連携では、枕元の温度センサーにより寝ている人付近の温度を測り、起床前に温度を上げる。神奈川県藤沢市の住民の協力で実証試験をし、制御方法を確立した。6月には起床前の明るさと個人ごとの目覚めの良さを学習し、照明を制御する仕組みも実証試験する。
利用者の生活習慣を学習した上でカフェインを含まないコーヒーや、美容液などの商品をスマホ画面に表示する仕組みも20年以降に導入する方針。さらに飲料や化粧品メーカーに広告スペースを貸し出すビジネスモデルも検討する。
パナソニックと西川産業は18年3月に提携し、今回のサービスを開発した。日本は先進国の中で韓国に次ぎ睡眠時間が短い。快眠に焦点を当てた寝具や家電が増えているが、室内環境全体を制御する仕組みはなかった。
日刊工業新聞2019年4月19日
14時間で完売した“睡眠支援ロボ”
パルスボッツ(東京都目黒区、美馬直輝社長、03・6407・8852)は、睡眠サポートロボット「ネモフ=写真」の追加生産を決定した。2018年10月にクラウドファンディングを通じ、限定100台で売り出したところ、14時間で完売。需要があると見て追加生産を決めた。台数は数百台という。顧客の声に応え、色を前回の白、黒に加え、マーブル2色を加えて計4種にする。消費税込みの価格は2万9700円。
ネモフは球体状で幅、高さとも約17センチメートル。寝室の暗やみに置き、なでると現在の時刻を声で教える。5種類のオルゴール音楽を奏でたり、眠気を誘うオリジナルの話を計16種、語って聞かせたりして眠気に誘う。翌朝の目覚まし機能もあり、仕事に疲れた人のいやし需要を見込む。
日刊工業新聞2019年3月27日
新興企業が睡眠を気にする理由とは?
社員の睡眠に企業が大きな関心を寄せている。福利厚生で睡眠改善サービスを利用できる企業も増えてきた。長距離運転ドライバーのような睡眠の重要さが明白な業種だけでなく、運用型ゲーム開発のような新しい業界も睡眠に注目しているという。
帝人で企業向け睡眠改善サービスを担当するデジタルヘルス事業推進班長の濱崎洋一郎氏は、「4月のサービス発表後、予想と違う業種から引き合いが多くて驚いた」と話す。
同社のサービスは、個人の睡眠傾向に合わせて改善策を提供する。アンケートなどで個人の睡眠傾向を分類し、睡眠傾向を分類。軽度の不調にはスマートフォン用アプリで改善策を助言し、緊張して眠れない人には、腹部に巻くベルト型センサーで呼吸パターンを測定し、睡眠を促す音楽などを流す。
当初は運送業や建築業からの引き合いを想定していたが、強く興味を示したのは、Eコマースや運用型ゲームといった24時間・365日サービスを提供するIT企業だった。こうした企業は休養のリズムが狂いやすい上、「ゲーム業界には、好きで私生活も仕事でもゲームをする人が少なくない」(濱崎氏)。仕事も遊びもやりすぎてしまい、気づかないうちに睡眠不足で体と心に負荷がたまる。好調な時は問題が出てこないが、仕事でつまずいた時に心が折れやすくなる。
そのため、会社側が「仕事に積極的なのはありがたいが、計画的に休みを取るように介入しないと心配だ」と考えるようになったようだ。気づかずに仕事をやりすぎるのは、ゲーム業界に限らず、好きな事を仕事にした人にも起きる可能性がある。「意識的に休みを取ってほしい」(濱崎氏)と呼びかける。
一方、帝人へ直接連絡をくれた中小企業の経営者らもいた。事業の進捗や資金繰り、従業員の管理などの重圧を一人で受けているため、「社長向けに、もっと手厚いプランがあってもいいのかもしれない」(同)と話す。
政府統計などの調査では、職種の違いによって睡眠時間や質に違いがあることが報告されている。運転者のように長時間の注意力の求められる職種や、接客や介護のような感情労働、そして知的労働。「今後、個人の睡眠データの分析が進むことで、業種ごとに最適なきめ細かな睡眠支援ができるようにしたい」(同)という。
企業の中で睡眠に問題があるのは、5人に1人程度だとみられており、「まずその人を見つけ、しっかりケアすることが大事」(同)と説明する。
自分の睡眠が気になる人は、自分で簡単に調べる方法もある。濱崎氏は睡眠改善インストラクターの資格を持っており、「まず自分の睡眠習慣を知ることから始めてほしい」と話す。まず、何時に寝て、何時に起きたか毎日記録を付ける。平日と土日の睡眠時間の差が大きいほど、睡眠不足の負荷がたまっている。平日に15分ずつでも早く寝る習慣を積み重ねれば睡眠は変わるという。
ニュースイッチ2018年07月01日