早くも100席モデル構想も。社長に直撃「新MRJ」の勝算

早くも100席モデル構想も。社長に直撃「新MRJ」の勝算

三菱航空機公式ページより
 三菱航空機が、国産小型ジェット旅客機の覇権争いに向けた布石を相次ぎ打ち始めた。米国の規制に対応した新機種の開発を本格化したほか、ブランドイメージ刷新を狙って名称を「三菱スペースジェット」に変更した。水谷久和社長に今後の取り組みについて聞いた。

 ―現状をどう見ていますか。
 「新しい段階に入ったと言える状態ではまだなくて、(90席級の)『スペースジェットM90』の開発がようやく節目を迎えようとしているところだ。M90はこれだけ時間がかかっているので、M100の検討ではいろいろな新しい技術を入れて、より市場のニーズに応えられるかを念頭に置いてきた」

 「今回のパリエアショーでM100の内装を披露したが、それなりの評価が得られたと考える。名称変更については新しい技術を導入するに当たり、世界の皆さまに親しみを持ってもらえるよう名前を変えようというのがコンセプトだ」

 ―M100の競争力をどう考えますか。
 「M100は客室の広さと快適性、(燃費などの)経済性の両立をより鮮明にした。座席数の設定もある程度幅があるので、顧客のニーズに合わせた仕様で提供できるのも強みだ。競争力をアピールできる形にまとまりつつある」

 ―100席級の「スペースジェットM200」の構想も示しました。
 「MRJ事業を始めるときにまずは90席級、次に70席級、その先に100席クラスがあるというのはもともと計画にあった。この方向性は今も変わらない。まずはM90の開発に区切りをつけ、次に70を具現化。しかるべき時期がくればM200を考えるが、具体的には決まっていない」

 ―M90では納期遅延の原因となった設計変更を反映した2機を飛行試験に投入する計画です。足元の状況は。
 「設計変更した機体は完成間近で、すでにエンジンも搭載した。最後の電線を組み込むのが、今日か明日かという状態まできている。これをつければ仕上がるので、あとは機能試験と最低限の飛行試験を日本で実施すれば米国に持って行ける。投入は遅くとも秋までにはいける」

 ―今回のパリエアショーでは、多くの顧客と接触したようです。
 「顧客にはとても積極的に事業を受け止めてもらえている。事業をやってきた中で、今までにない雰囲気だ。現在は外国人のエキスパートを前面に出して、彼らが(顧客に)受け入れてもらっている状態。日本の会社が日本人だけを使って、飛行機を造るのが国産ではない。三菱航空機は紛れもなく日本の会社だが、自社にないリソースは世界に求め、本当に良いものを完成させたい。こうした姿勢が顧客に伝わり始めている」
水谷社長

(パリ=長塚崇寛)

日刊工業新聞2019年6月21日の記事から抜粋

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