ニュースイッチ

中小企業の為替リスクをヘッジする商工中金の一手

福邦銀行と業務提携
中小企業の為替リスクをヘッジする商工中金の一手

福邦銀が中小から受ける為替リスクの相談に商工中金がクーポンスワップを提供する(商工中金本店)

 商工中金は、福邦銀行と中小企業向けデリバティブを活用した為替リスクヘッジ手法(クーポンスワップ)で業務提携した。輸入品を扱う中小企業に対して海外取引額の一部の為替を固定した上で、為替変動によるリスクを軽減・回避するサービスを提供する。為替リスクヘッジで地域金融機関と提携するのは初めて。

 協業が見込まれる金融機関20行程度に対しても業務提携を目指す。

 クーポンスワップは、一定の期間、一定の為替レートで外貨と円を交換できる手法。あらかじめ取り決めた条件で通貨を売買する権利を売買する取引。この商品を提供できるのは、サービス体制が整ったメガバンクや一部の地銀に限られる。

 商工中金は地域金融機関と協業を拡大しており、今回の業務提携もその一環。今後、福邦銀が中小企業などから受ける為替リスクの相談に対し、商工中金がクーポンスワップを提供する。

 商工中金が独自にクーポンスワップを提供する取引先は、約650件で想定元本(残高)は約1兆円。年間250件程度の成約実績がある。取引対象外貨は米ドルとユーロ。

 福邦銀は1月、商工中金などと地元福井市のホームセンターに対して約23億円の協調融資を組成している。
日刊工業新聞2019年6月21日

編集部のおすすめ