5G対応携帯の出荷台数「2023年には市場全体の3割に」

IDC予測、普及速度緩やかに

 IDCジャパン(東京都千代田区、竹内正人社長、03・3556・4760)は20日、2020年春に商用化される第5世代通信(5G)に対応した携帯電話の国内出荷数が、23年に870万台に達する予測を発表した。国内携帯電話市場全体の28・2%を占めるが、50%超となるのは24年以降の見込み。19年末の発売当初は端末価格が高額で端末補助も縮小されるため、普及速度は比較的緩やかになるとした。

 5G向けの携帯料金プランは、海外で先行する携帯事業者同様に容量無制限プランで提供すると予想した。通信料は海外では月100―150ドルで提供している。5G対応携帯電話の当初の価格については、現行の高機能機種の価格帯である10万円超を上回るとみている。

 国別の5G対応携帯電話の占有率は、23年に米国が60%超と他国を大きく圧倒する見通し。平地が多く基地局の設置が容易なことが米国での普及を後押しする。西欧や日本を除くアジア太平洋地域は日本と同じ約30%とした。

 5Gを利用可能な通信サービスの国内契約数は23年に3316万回線となり、モバイル通信サービス全体の13・5%を占めると予測した。当初は5G対応携帯電話の普及と連動して増加するが、競技場やコンサート会場からの高精細映像のリアルタイム配信、人工知能(AI)による工場設備の予防保全、建設機械の遠隔操作など産業向けIoT(モノのインターネット)回線の伸びを期待する。

 基地局など5Gインフラが普及し、全国でおおむね5Gが利用可能になる時期は25年ごろを見込む。携帯電話大手の5G向け投資は19年から本格的に始まっているが、全体のネットワーク機器投資に占める5G向けの投資が5割を超えるのが21年、8割となるのが23年ごろと分析した。

 5G利用のハブ(中核)となる機器は当初は現状と同じスマートフォンやタブレット端末だが、普及後はメガネ型の拡張現実(AR)グラスになると予想した。

 菅原啓シニアマーケットアナリストは「ARグラスからクラウドやAIサービスに自動接続し、海外で視界に映る看板を自動翻訳するなど生活を激変させるだろう」と分析している。

日刊工業新聞2019年6月21日

  

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