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経団連の夏季賞与1次集計は5年連続90万円超え、一方の中小企業は…

 経団連は11日、2019年夏の賞与の1次集計結果を発表した。大手企業の平均妥結額は97万1777円だった。90万円の大台を上回るのは5年連続となった。ただ、回答企業の前期比では2・52%減。ベースアップを優先して、夏の賞与の企業側への要求を下げる動きが一部で見られた。

 経団連は東証1部上場で従業員500人以上の21業種251社を対象に調査。今回は、15業種83社の回答を集計した。最終集計は7月末にも公表する。

 平均妥結額は1次集計としてこれまで最高だった18年の96万7386円を上回った。妥結額は1959年の調査開始以来で過去最高。ただ、政府の企業への賃上げ要請が夏季賞与への要求を抑制される結果につながり、今回、回答した企業の前期比はマイナスになる傾向が見られた。

 経団連調査が高水準の結果となった一方、中小企業には大企業ほどの追い風は吹いていない。例えば、浜銀総合研究所(横浜市)が5月にまとめた19年夏のボーナス予測調査によると、民間企業に勤める神奈川県民1人当たりの支給額は前期比0・3%増の46万4000円だった。

 30人以上の県内事業所は、0・7%増の48万2000円と予測している。中小企業が多い30人未満の事業所は前期比0・2%減の29万1000円の見通しになっている。大企業と中小企業の格差が浮き彫りになっている。
日刊工業新聞2019年6月12日

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