NTTが被災予測にAI導入、通信ケーブル早期復旧につなげる

大規模災害でも1週間早く

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熊本地震の被災地に向かうNTT西日本の高所作業車(16年=NTT提供)
 NTTは大型台風がもたらす通信ケーブルの被災状況を人工知能(AI)が予測し、迅速な初動対応で早期復旧につなげるシステムを導入する。6月にNTT西日本で運用を始めたほか、2019年度中にNTT東日本、20年度中にNTTコミュニケーションズとNTTドコモも導入する。AIの故障予測に基づいた適切な人員や資材を台風上陸3日前に把握することで、復旧完了に1カ月かかっていた大規模災害時でも従来より約1週間早く復旧できるようにする。
 
 12年以降、国内に甚大な被害をもたらした台風約20件の気象データ、その際の通信ケーブルの被災状況を学習させたAIを用いる。

 電線や光ファイバーなど通信ケーブルの耐風基準を超える風速をもたらす台風の上陸予想日の5日前から、気象データ会社経由で得た情報を入力し、過去データと照らし合わせた故障予測に着手する。同3日前に故障予測に基づいた人員や資材の配置を決める。

 大規模災害発生後に顧客先と通常通りに通信できているかを広範囲で自動的に確認できる導通試験システムも導入し、顧客からの連絡がなくても故障の早期発見を可能にする。

 これまでNTTグループは、時系列に沿ったマニュアルに基づく災害対応を行っていたが、担当者の経験に頼る部分も多かった。18年9月の台風21号に伴う復旧対応では、関西を中心に広範囲に甚大な被害をもたらした結果、大人数となった応援要員の宿泊場所や資材の配置場所の確保に苦労した。この経験を教訓に、18年11月から災害時の初動対策強化に向けたAIによる故障予測システムの導入を検討していた。

 今後は、地盤データをAIに学ばせることで土砂災害による通信ケーブルの故障も予測可能にする。電力会社と被災情報を共有し、より高精度な故障予測ができる体制づくりも検討している。

日刊工業新聞2019年6月7日(ICT)

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