米国で快進撃!“無水”が強みの鋳物ホーロー自動調理器

愛知ドビーに聞くローカライズの秘訣

 愛知ドビー(名古屋市中川区、土方邦裕社長)は、1月に鋳物ホーロー自動調理器「バーミキュラ ムスイ―カマド」を米国市場に投入し、初年度1万500台の販売を目指している。土方智晴副社長に、海外戦略を聞いた。

―海外展開に乗り出した経緯は。

「町工場から世界最高の製品を作ることが当初からの目的なので、海外展開は当然のこと。しかし、世界市場の調査をした際、製品の出尽くしたホーロー鍋市場では、従来の鍋とは全く違う定義を持った製品が必要だと分かった。そこで無水調理ができるという独自の強みを生かして火加減を自動調整できる鋳物ホーロー調理器を製作し、まず国内向けに『バーミキュラ ライスポット』を発売した。これが完成したので海外展開を本格的に始めた」

―米国での評判は。

「非常に高い評価をいただいている。米国のトップシェフが購入して広がりを見せており米ウォール・ストリート・ジャーナルなど大手メディアにも取り上げられた。有名小売店からも声をかけてもらっており、これから米国市場でさらに拡販していく」

―販売戦略は。

「独自のレシピブックなどを通じて製品の世界観を作り込み、調理器としてのブランディングを展開する。日本では炊飯器としてブランド展開したが、米国では一からやり直さないといけない。最初はオンラインで販売を開始したが、4月からは8店舗で店頭販売を始めた。実際の製品性能を体感してもらい、購入意欲につなげたい。今後は自分自身が使用する姿をイメージしてもらうため会員制交流サイト(SNS)『インスタグラム』を活用して、料理教室動画などを発信する。料理を通じて日々の生活を楽しみたい人に訴求する」

―次のステップをどう考えていますか。

「米国を皮切りに、アジアや欧州への投入も計画している。特にアジア市場に対しては、全域を網羅するアジア本部を設け、そこから各地の代理店へ販売していきたい。暮らしを変える製品をさらに生み出して、将来的には総合的なキッチン機器メーカーになろうと考えている」

愛知ドビー・土方智晴氏


ローカライズが海外展開のカギ


 愛知ドビーは鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」のメーカー。2010年に発売したバーミキュラは、19年3月にはブランド累計受注台数50万台を突破した。海外市場展開のカギはローカライズだ。米国では消費者のライフスタイルに合わせ、製品規格や付属のレシピブックのレシピを変更し評判を呼んだ。バーミキュラの生産はすべて名古屋市内の自社工場で行っている。日本で話題となったメード・イン・ジャパン製品が世界でも認められるか注目される。
(インタビュー・中島佑馬)

日刊工業新聞2019年6月4日(トピックス)

  

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