SDGsの社員浸透へ続々登場、楽しく学ぶ「ゲーム」のルール

カードゲーム、ボードゲームが誕生

 持続可能な開発目標(SDGs)を学べるゲームが登場している。社員研修の教材となるものから、技術者が楽しめるゲームまで種類も増えてきた。CSR推進団体のグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンなどの調査によると、SDGsが社員に定着した企業は1割にとどまる。現場社員への浸透のためにゲームの活用が広がりそうだ。

カードゲーム 世界への影響体験


 SOMPOホールディングス(HD)の有志社員48人は就業後、SDGsを学ぶゲームイベントを開いた。各チームにカードが配られるとゲーム開始。カードにはプロジェクトが書かれており、各チームは目標達成に向けて実行するプロジェクトを次々と選んだ。

 しばらくすると中間評価の時間を迎えた。ホワイトボードには「経済20 環境3 社会1」と表示され、司会者は「皆さんの活動が世界に影響を与えた。経済は絶好調、環境は危機、社会は分裂」と解説した。プロジェクトには交通インフラ整備、大規模農業、リサイクル法強化などがあり、実行するごとに世界の経済、環境、社会の状況が変わった。

 再開し「2030年」を迎えるとゲーム終了。世界は「経済22 環境7 社会11」と変化した。参加者は「前半は経済優先だったが、世界の状況を知ったので後半は環境、社会を意識した」と感想を語った。

 ゲームは一般社団法人「イマココラボ」が考案した。SDGsが目指す経済、社会、環境が調和した世界を体験できる。有志社員代表の井上知亜紀さんは「本業にSDGsをどう生かすか、考えるきっかけにしたい」と語った。イマココラボはゲームを多くの企業に活用してもらおうと進行役を育成しており、今回の司会を務めた荒木朋之さんもその一人。荒木さんは他社に勤務し、企業などの依頼でゲームを進行している。

ボードゲーム 課題解決技術、考える機会に


 SDGsを体験できるボードゲームもある。さいころを振って進んだマスにあるミッションを実行し、社会課題を解決してSDGsの17目標のスコアを高めていく。参加者は大企業、ベンチャー、大学、慈善団体と役割分担され、資金力に差がある。ミッション遂行の資金が不足した参会者は、他者に協力を呼びかける。

 協業がないとゴールに到達しないようにできている。ゲームを開発した未来技術推進協会の小野洋平さんは「自分と世界のどちらを優先するのか、ジレンマを感じる局面もある」と工夫を明かす。

 同協会は所属企業を超えた技術者が集まっており、ゲームにも技術者のこだわりがある。例えばミッションには実社会で実用化された事業があり、「人工知能(AI)があったらもっと良かった」といった感想を言い合える。協会の草場壽一代表理事は「課題解決に必要な技術を考える機会になる」と期待する。

未来技術推進協会が開発したボードゲーム

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日刊工業新聞2019年5月31日

松木 喬

松木 喬
06月06日
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5月31日付日刊工業新聞「SDGs面」から。SDGsの世界観を体験できるカードゲームです。企業でやると経済優先の世界ができる傾向がはっきりするそうです。ボードゲームは終了後「こういう技術があったらよかった」と言い合う振り返りが楽しそうです。カスタマイズ可能なので自治体の課題を設定したゲームもできるそうです。

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