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レアアース不使用で3割軽量化、ドローン用モーターの進化は止まらない

愛知製鋼が開発、EV用も視野に
レアアース不使用で3割軽量化、ドローン用モーターの進化は止まらない

外装部分に磁石を一体成形し、コイルを内蔵する

愛知製鋼は沢藤電機と共同で、従来製品よりも3割軽量化した飛行ロボット(ドローン)用モーターを開発した。さまざまな形状に成形できる磁石を活用し、筐(きょう)体と一体成形する技術を確立したことで設計の自由度を高めた。磁石にはレアアース(希土類)を使っておらず、磁石の安定調達も見込める。年内に量産をはじめ、2020年度は1000―2000台の販売を目指す。

 要素部品を覆うハウジングをマグネシウム製にしたほか、コイルの素材を銅線からアルミニウム電線にするなどして軽量化した。モーターの最大出力は2・2キロワットで、重さは1・05キログラム。農業や物流など産業用ドローン向けを中心に販売する。

 愛知製鋼が手がける希土類のジスプロシウムを使わないネオジム系磁石「マグファイン」を採用した。ネオジム磁粉と樹脂を混ぜたペレットを使うボンド磁石の一種で、射出成形が可能だ。従来は難しかったマグネシウム素材への磁石の一体成形技術を確立。最終工程に近い所で磁石を成形するため、加工プロセスを短縮でき、生産コスト低減も見込める。コイル技術は沢藤電機が確立した。

 ジスプロシウムは現在ほとんどを中国から調達している。米中貿易摩擦の激化で、中国は希土類の禁輸も示唆しており、今後の価格高騰や調達不安が懸念される。

 愛知製鋼はジスプロシウムを使っていない点を強みとして、マグファインの採用拡大を狙う。将来は電気自動車(EV)用モーターにも展開する計画だ。
日刊工業新聞2019年5月31日

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