障壁の解消に商機…キャッシュレス市場を狙う企業たち

凸版印刷やカシオなど

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地域ペイで利用できる決済端末の一例
 地域や小売店のキャッシュレス化を促す製品やサービスが続々と登場している。キャッシュレス化推進における障壁の一つが、多岐にわたる決済規格の管理・運用の負担。既存の決済基盤システムの応用や製品のアップデートなど、各社がさまざまな方面から障壁の解消に挑んでいる。(文=国広伽奈子)

手数料なし


 凸版印刷は、地域内で流通する複数の決済サービスをまとめてデジタル化する決済プラットフォーム(基盤)「地域Pay(地域ペイ)」の提供を始めた。自治体や商店街で導入を見込み、初期導入費用と月額数万円程度の管理運用費が発生するが、決済時の手数料は発生しない。

 地域ペイは、ギフトカードの残高管理に用いる決済基盤のシステムを活用したサービス。住民や観光客に1枚の専用カードやスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)を提供。それらに連動した商店街のポイントや電子マネーなどの利用状況をプラットフォーム上で管理する。ポイントカードや商品券を配布する負担を削減でき、地域内の消費活性化も期待できる。

 地域ペイの専用端末で対応できる決済規格は最大3種類まで。独自のポイントや電子マネーのほか、クレジットカードや2次元コード「QRコード」決済も選択可能。自治体や商店街は、住民や観光客の利用頻度が高い決済規格を想定して選択できる。凸版は地域ペイという基盤を提供することで、いわば地域の“丸ごとキャッシュレス化”を狙う。

瞬時に規格判別


 カシオ計算機は、電子レジスター新製品「SR―S200」を31日に発売する。消費税抜きの市場想定価格は3万4000円前後。

 キャッシュレス化普及への最大の強みは、ネットスターズ(東京都中央区)のQRコード決済端末「NETSTARS StarPay(スターペイ)端末」と連動することだ。スターペイ端末は、複数のQRコードの決済規格を瞬時に判別、決済できる。カシオ計算機によると、同端末の導入店舗数は小売業や流通業を中心に10万店舗以上。レジ自体は現金を扱う機械だが、レジとして使いながら、同じ機械でキャッシュレス決済を可能にする。

 近距離無線通信規格「ブルートゥースローエナジー(BLE)」で6月から同端末と連動可能になる。スマートフォンとも連動でき、売上額の確認や価格変更などを手軽にできる。今後は1月に発売したBLE対応レジでも同端末との連動を予定。レジを使い慣れている店舗も多く、レジの普段使いのままQRコード決済の普及に対応する。

日刊工業新聞2019年5月31日

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