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JR西は「物販飲食」「不動産」で稼ぐ、社内カンパニー制に

非鉄道事業で成長へ
JR西は「物販飲食」「不動産」で稼ぐ、社内カンパニー制に

SC事業の商業施設「天王寺ミオ」。現運営会社は7月に吸収合併され、新たな統括会社の下で運営が始まる

 JR西日本は、物販飲食や不動産などを担う非鉄道(創造)事業で、6月から実質的な社内カンパニー制に移行する。創造事業における「物販飲食」「ショッピングセンター(SC)」「不動産」「ホテル」の4事業を、社内カンパニーと位置付けた。責任と権限を持つ自主運営組織にし、成長の見込める非鉄道事業を拡充する狙いだ。

 4事業を統括する子会社・部署を明確に定め、それぞれグループ会社も傘下におき、各事業をてこ入れする。物販飲食事業は、駅ナカでコンビニエンスストアなどを運営するジェイアール西日本デイリーサービスネット(兵庫県尼崎市)が統括する。

 同社トップには6月20日付で副社長を退任する二階堂暢俊氏が就き、売上高規模1700億円ある同事業を強化する。

 SC事業の統括は、7月からJR西日本SC開発(大阪市北区)が担う。同社はJR大阪駅前の商業施設「ルクア大阪」(大阪市北区)を運営するが、7月1日付で「天王寺ミオ」(大阪市天王寺区)を運営するグループ会社の吸収合併が決まっており、SC事業を拡大する。

 さらに不動産事業は6月からJR西の創造本部が、ホテル事業は先行しジェイアール西日本ホテル開発(京都市下京区)が統括機能を担っており、より自主運営を進めていく。

 JR西の来島達夫社長は「鉄道の傘の中で(非鉄道の)創造事業をやっていくといずれ頭打ちになる。既存の体制でもカンパニーと呼んでいるものもあるが、より自立した形の運営を制度的に後押しする」と、社内カンパニー制の意義を説く。

 現在、同社の鉄道事業の売上高は全体の3分の2を占める。

 これを長期目標とする2030年度に鉄道と非鉄道の割合を5割ずつにするためにも、組織再編を推進する方針だ。

                 
日刊工業新聞2019年5月22日

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