JR東日本が狙う「スイカ」ですべて予約・決済できる世界

五輪前に「MaaS」の基盤提供

 JR東日本は2020年夏の東京五輪・パラリンピックまでに統合型移動サービス(MaaS)の提供を始める。目的地への移動に必要な情報の収集と予約、決済を一括してできるスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)を開発し、一般に公開する。他の交通機関や移動サービス提供者との連携を通じて、快適な移動を実現する仕組みをいち早く確立し、国内におけるMaaSプラットフォーマーを狙う。

 JR東が五輪までに実現を目指すMaaSは、統合度合いによる分類で、予約と決済を統合する段階の「レベル2」。現在、日立製作所と共同開発したアプリ「RingoPass(リンゴパス)」を、都内の10法人200人の協力を得て、実証実験している。

 リンゴパスはシェアバイク、タクシーと提携し、同アプリ上で予約や決済を行える。シェアバイクの認証には交通系ICカード「Suica(スイカ)」を使用。アプリに登録したクレジットカードで料金を決済する。

 JR東はMaaSオペレーター(提供者)を目指し、サービス提供の基盤「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」の構築を構想。22年度に月3000万件の利用を目標に掲げる。

 鉄道を軸に2次交通や飲食、土産品、宿泊といった移動以外のサービス予約や決済もアプリで一括提供する将来像を描くほか、認証キーとしてスイカの活用拡大も見据える。

 構想の実現には、ライドシェアを含む交通サービスや移動の利便性を高める各種サービス、クレジットカード会社などと幅広い協力体制がカギを握る。特に現在地から目的地までのリアルタイムの運行状況を踏まえて移動手段を提示するには、他の交通機関と精度の高い情報の共有が不可欠。このため、1月に発表した小田急電鉄との連携を皮切りに、他の交通事業者にも協業を呼びかけていく。

開発しているMaaSアプリ(RingoPass)のスクリーンショット

日刊工業新聞2019年3月1日

  

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