JR各社、上場会社と非上場で業績に明暗

4社は売上高が最高、訪日客取り込む

 JRグループ7社の2019年3月期連結決算は、訪日客やビジネス客の利用拡大を背景に運輸収入を伸ばした上場4社が過去最高の売上高を更新した。JR東日本とJR東海は当期利益も過去最高だった。一方で西日本豪雨や北海道地震といった自然災害の影響が大きかったJR貨物、JR北海道、JR四国の非上場3社は減収かつ営業損益が悪化。JR西日本とJR九州も当期減益となった。

 JR東は売上高が初めて3兆円を超えた。流通・ホテルなどの非運輸事業も好調で「すべてのセグメントで増収増益だった」(松木茂常務)。JR東海は東海道新幹線の利用が伸び、単体の営業利益率は45・6%。巣山芳樹副社長は「将来に向けた施策(リニア中央新幹線の)に大きく寄与する」と話した。

 JR西は山陽・北陸の両新幹線が好調で、災害影響による在来線の不通による利用減を補った。災害復旧費用225億円を特別損失に計上し、当期減益となった。JR九はキャタピラー九州の連結子会社化で増収だが、鉄道事業の減価償却費の増加が響き、6期ぶりの営業減益だった。

 JR貨物は西日本豪雨などの減収が125億円で保険の補填が40億円あった。特別損失で災害損失24億円を計上し、当期赤字に転落した。JR北は北海道地震などによる連結の減収が25億円、減益幅は29億円。JR四は特別損失に豪雨の復旧費用19億円を計上した。

 20年3月期は全7社が増収を予想。JR東とJR西は営業・当期増益、JR貨物は営業増益と当期益の黒字転換を見込む。JR東海はリニア中央新幹線の工事本格化で、JR九は税制特例措置の廃止や減価償却費の増加で、両社が営業・当期減益を想定。JR北とJR四は経営安定基金の運用益減少が響くも、非鉄道分野の利益貢献で当期黒字を確保する見通し。
                 

日刊工業新聞2019年5月17日

  

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