収益悪化の携帯大手、打開のカギは何だ?

データ利活用など非通信強化

 高収益を続けてきた国内携帯電話事業が曲がり角を迎えている。通信料を最大4割引き下げた新プランの導入により、NTTドコモが2020年3月期の連結業績予想で5期ぶりの営業減益を見込むなど、大手3社の携帯事業の収益が軒並み悪化するからだ。10月に予定する楽天の携帯事業参入で競争が激化するだけに、キャッシュレス決済やデータ利活用サービスなど非通信事業の強化を急ぐ。

 KDDIが15日発表した20年3月期の業績予想(国際会計基準)は、携帯電話事業の競争激化を見込み、営業利益が同0・6%増の1兆200億円にとどまる。通信料を最大4割引き下げた新プランを6月に投入するなど最大で約4000億円の顧客還元を行うためだ。

 NTTドコモも最大で4割値下げした新しい通信料金プランの導入の影響によって、20年3月期の営業利益予想を同18・1%減の8300億円とした。ソフトバンクも通信料引き下げや10月の楽天の参入など携帯電話業界の競争激化を主な要因に、ヤフーの連結子会社化分を除いた営業利益予想は、ほぼ前期並みとなりそうだ。

 このため、大手3社は携帯電話通信料収入に依存した収益構造からの脱却を急いでいる。カギを握るのはスマートフォン決済。スマホを通じた各種サービスにおけるビッグデータ(大量データ)収集には、スマホ決済が重要な役割を果たすからだ。

 KDDIは4月に始めたスマートフォン決済「auペイ」を中心に「金融事業を新たな収益源に育てる」(高橋誠社長)方針だ。ソフトバンクは人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)を用いた法人事業も強化し「5年以内に営業利益1兆円を目指す」(宮内謙社長)としている。

                   

日刊工業新聞2019年5月16日

  

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