「データ×AI」を狙うIBMと富士通、それぞれの戦略

ITベンダーの新潮流に

 ITベンダーが目指す次の方向性として、「データ×人工知能(AI)」の新潮流が急浮上してきた。富士通と日本IBMは14日、それぞれAI×データを巡る新戦略を発表した。

 日本IBMはAI事業と、データベースを含むアナリティクス事業を統合した部署「IBMデータ・アンド・AI事業部」を新設。AIの看板商品である「ワトソン」をIBMクラウド以外でもオンプレミス(自社保有)も含め、あらゆる環境で使えるマイクロサービスとして提供するなどの新施策を発表した。

DXは第2章


 AI活用の実践スキルの伝授やAI認定プログラムの提供に加え、IBMが講師となり、AIのスキルを基礎から応用まで短期間で教える教育コースも提供する。同日都内で会見した黒川亮理事データ・アンド・AI事業部長は「企業のデジタル変革(DX)は第2章に入り、部門ごとの成果をクラウドとAIで一気に全社に拡大する時代だ。AIを真に業務の価値につなげるにはデータ活用が不可欠だ」と強調した。

 富士通はデータ×AIの新潮流に沿って、企業ごとの目的に応じたビジネスの実現を支援するフレームワーク(枠組み)「デザイン・ザ・トラステッド・フューチャー・データ×AI」を策定。7月からグローバルに順次適用すると発表した。「データやAIの利活用が実業務への適用に至らない」という企業が抱える課題に対し、ユーザーの目的達成に主眼を置いて、業務実装と定着化で価値創出を目指す。

 データ×AIへの取り組みとして、効果的な実現手段を仮説設計する「目的志向設定」と、必要なデータに的を絞り効果的にデータを収集・流通・蓄積する「データ準備」、データの精製から分析・効果測定によって価値を追求する「データ利活用」、業務適用や最適化で価値を創出する「業務実行」―4フェースで事業展開する。

オープン化対応


 両社ともデータ×AIの推進では、特定ベンダーに依存しないオープン化対応を前提としている。企業のデータ活用はこれから「マルチAI、マルチクラウド」がキーワードとして急展開していきそうだ。

日刊工業新聞2019年5月15日

  

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