すばる望遠鏡が見つけた“誕生から8億年後”の宇宙

巨大ブラックホールが多数存在したとみられる

 宇宙が約138億年前に誕生してから8億年後の時点で、巨大ブラックホールが多数存在したとみられることが、国立天文台のすばる望遠鏡(米ハワイ島)による観測で分かった。愛媛大学や東京大学などの国際研究チームが、東京都小金井市の法政大学で始まった日本天文学会で15日に報告する。

 巨大ブラックホールは銀河の中心にあり、質量が太陽の100万倍から100億倍もある。

 これまでは長い時間をかけて大量の物質をのみ込み続けたり、ブラックホール同士の合体を繰り返したりして成長すると考えられており、初期の宇宙で短期間に巨大化した仕組みが謎だという。

 ブラックホール自体は直接観測できないが、周囲では物質が猛烈な勢いで渦巻くように流れ込むため高温となり、光り輝く。すばる望遠鏡には最新鋭の超広視野カメラが取り付けられ、国際研究チームは質量が太陽の1億倍から10億倍の巨大ブラックホールを新たに83個発見した。このうち最も遠いのは、おとめ座の方向の130億5000万光年先にあった。

 愛媛大の松岡良樹准教授は「今後さらに遠く、より初期の宇宙を観測して巨大ブラックホールができ始めた時期を特定したい」と話している。
すばる望遠鏡(国立天文台提供)


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日刊工業新聞2019年3月15日

  

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