珍しく決算会見に登場したホンダ社長、とても残念だった発言内容とは?

「効率」施策にとどまり、その先の競争力や夢は?

 ホンダは8日、4輪事業での世界生産コストを2025年までに18年比10%削減する計画を示した。世界展開するグローバル車種の派生モデルの種類を現在の3分の1に減らすほか、車種をまたいで部品の共通化を増やすなどして実現する。並行して25年までに開発工数を同30%削減する見込み。また世界各国での企業平均燃費(CAFE)規制に対応するため、ハイブリッド車(HV)の競争力を高める方針を示した。

 会見で八郷隆弘社長は「体質強化を確実に進め、25年までに4輪車の既存ビジネスを盤石にしたい」と話した。4輪事業の営業利益率は「リーマン・ショック前に早く戻したい」とし、7%水準を目指す。19年3月期は2%弱だった。

 現在、ホンダではグローバル車種が4輪車販売の6割を占めるが、派生モデルの種類が増え開発や生産の非効率化につながっていた。派生モデル削減により「部品サプライヤーの無駄も減らせる」(八郷社長)とした。

 また地域専用モデルについても市場ニーズや環境規制の近い地域を束ね、競争力の高い車種に集約する。車づくりの領域では開発効率や部品共有化率向上につながる新手法「ホンダ アーキテクチャー」を導入した車種をグローバル車種として20年に初投入する。

 電動化戦略については中・大型車向けの2モーターのハイブリッドシステム「i―MMD」で、小型車向けを開発する。小型車「フィット」の新型車に初搭載する。排ガスを出さない「ゼロエミッション車」規制には電気自動車で対応する。

日刊工業新聞2019年5月9日

中西 孝樹

中西 孝樹
05月10日
この記事のファシリテーター

ホンダの社長が決算説明会に顔を出すことは滅多にない。八郷社長は決算説明会でこれまでの経営方針の総括を語り、やるべき改革への道筋が「7合目」に到達してきたことを示した。「ホンダアーキテクチャ」によるモジュール標準化、グローバルモデルのバリエーション削減、地域専用モデルの見直し、生産能力適正化など、効率改善を目指す重要な施策を2020年末から加速化されていく考えだ。残念であったのは、効率に軸足を置いた施策の話に留まったことで、その先に目指すべきホンダの競争力がどこにあるかを示せなかったこと。 効率必達政め策は社内に向けた内向きな話であり、我々はホンダの競争力や製品の夢の部分が聞きたかった。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。