宝石の輝きをスマホで再現するARシステムの効果

KDDI総研が開発

スマホ画面にみずみずしい野菜が表示される
 KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市、中島康之所長、049・278・7441)は、市販のカメラで撮影した画像を用い、複雑な反射特性を持つ宝石の輝きや野菜のみずみずしさなどをスマートフォン上で再現する拡張現実(AR)システムを開発した。コンピューターグラフィックス(CG)を使わないため、通常は約10日要するAR作製が1日で完了する。ネット通販などに応用し、2020年の実用化を目指す。

 CGで描画した商品をスマホの画面上で現実世界に重ねて表示し、商品の大きさや外観を確認できるARコンテンツが増えている。商品を買う前に確認できるため、米アマゾン・ドット・コムや家具販売大手、スウェーデンのIKEAなどが提供している。ただ、光の当たり方によって見え方が変わる宝石などを再現するのは難しく、高価な計測機器も必要だった。

 新システムは位置推定に用いる市販のマーカーと対象物を回転台に載せ、全方位から5000―6000枚撮影する。KDDI総研ではスマホのカメラを三脚で固定して連写することで撮影作業を自動化した。利用者はスマホで専用マーカーを写すと、本物さながらの対象物が画面上に表示される。事前撮影した画像群から、利用者が持つスマホの位置に類似する画像を自動選択し表示する仕組み。

 現在は利用者のスマホに大量の撮影画像を保存する必要がある。2020年の実用化に向けては、第5世代通信(5G)を活用して、画像の保存や選別などを全てクラウド上で運用する見通しだ。

 KDDI総研は今後、新システムをKDDIが展開するサービスに用いる予定。ネット通販のほか美術館での文化財の再現にも応用できるとしている 。

2019年05月09日

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