KDDIがデータ分析人材を100人育成する理由

“ライフデザイン戦略”推進へ

 KDDIは2019年度中にビッグデータ(大量データ)分析人材を自社で100人育成する。社員向けに3カ月間の育成プログラムを実施し、分析に必要なプログラミング言語の基礎などを教育する。顧客の属性や通信状況といったデータを分析し、高精度な商品提案やサービスを開発できる人材を育てる。現在、非通信商材をau顧客に提供し事業を多角化している。顧客データを有効活用できる人材を増やし、競争力強化につなげる。

 データ分析を手がけるアルベルトと、KDDI傘下のアライズアナリティクス(東京都渋谷区)が、3カ月間の育成プログラムを作成し、11月から取り組みを始めた。KDDIの社員は通常業務から離れてプログラムに集中し、簡易な分析ができる「ジュニアサイエンティスト」を目指す。携帯電話事業や法人向け事業など多様な部署から20人が受講し、今後もプログラムを通して人材を育てる。

 最初の1カ月半は分析に必要なプログラミングの基礎を教育し、残りの日数で顧客データなどを用いた実践的な分析に取り組む。例えば電子商取引(EC)サイト上で顧客の属性や購入状況、商品情報を基に、売れる商品と売れない商品を仕分けできるようにする。

 KDDIは主力の携帯電話事業が国内の人口減少などの影響で大きな成長が見込めないため、au顧客に保険や物販など多様な商材を提供する「ライフデザイン戦略」を進めている。約4000万人のau顧客それぞれの特徴をつかみ、ニーズに合う商材を提案できるかどうかが今後の成長のカギを握る。19年10月には楽天も携帯電話事業に参入し、顧客獲得の競争はさらに厳しさを増す。KDDIは高度な顧客分析を武器に「au経済圏」で顧客を囲い込み、持続的な成長につなげる。

葭本 隆太

葭本 隆太
11月18日
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保険などの商材は顧客に提案するタイミングも重要そう。また、KDDIの直営店はカフェや物販などを前面に出し、携帯電話を契約する目的がなくても立ち寄りやすい店舗作りを進めているので「ライフデザイン戦略」においてはそのあたりの活用も気になります。

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