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4泊5日で弟子入り、着物の柄を染める伝統工芸「伊勢型紙」に没頭する宿

「泊まる」だけじゃない宿(1)テラコヤ伊勢型紙
 着物の柄や模様を染めるための伝統工芸品「伊勢型紙」を基礎から学べるテラコヤ伊勢型紙(三重県鈴鹿市)は修行型のゲストハウスだ。三つのコースがあり、4泊5日の「弟子入りコース」では宿泊して深夜までじっくり作業に向き合うことができる。

引き彫りに使う小刀。テラコヤでは主に引き彫りで型紙を制作する

 参加者は切り絵や着物好きから職人志望の夢を持つ一般職の人など、各地からやってくる。外国人も多く、直近では英国の服飾学校生が参加した。参加者の半数が宿泊して型紙を制作している。

体感コースに参加した切り絵が趣味の奥谷菜々子さん(右)

参加者が制作した型紙と反物

 大学で都市設計を学んだ運営者の木村淳史さん(写真右)は「自分の中では型紙を作っているつもりはなく、町づくりをやっている。型紙があるからこその町であり、歴史があり、必然性がある。ここを拠点にファッションクリエーターが挑戦できる町にしていきたい」と語る。
近隣に服飾のコワーキングスペースを準備中

(文・写真=写真部・木本直行)
日刊工業新聞2019年4月30日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
“泊まり方”も最近は多様化し、宿泊者にプラスαの満足度を与えています。5回連載で変化する各地の宿泊施設を訪ねます。

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