アナリストが解説!30秒で分かる注目企業の決算【日本電産編】

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 日本電産が発表した2019年3月期連結決算(国際会計基準)は、当期利益が前期比15・3%減の1107億円となり、13年3月期以来6年ぶりの減益となった。中国経済の減速や、それに伴う各事業の構造改革費用が影響した。売上高は過去最高を更新したが、同2・0%増と微増にとどまった。

 「家電・商業・産業用製品」の売上高は18年秋以降、大規模な在庫調整があったものの、18年4―9月期の需要が堅調だったこともあり、同3・8%増の5383億円だった。

 20年3月期業績予想は、売上高、営業利益とも過去最高を見込む。設備投資は1500億円を計画する。電気自動車の駆動用モーターなどの需要増もあり、吉本浩之社長は「反転成長して攻める」と述べた。

「下期の数字は強い確信」(永守会長)


日本電産・永守会長

 日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は、都内で開いた決算説明会で、4―6月の中国市場について「トラクションモーターやブレーキモーターなどの新製品の受注は増えて活発化してきたが、既存製品の在庫調整は緩やかで期待できない」と述べた。下期(10月―20年3月)については「新製品の受注が積み上がってきている」と述べ、市場が回復してくるとの見方を示した。

 永守会長は「下期の数字はかなり強い確信を持っている」と自信を見せ、2019年3月期連結決算(国際会計基準)の当期減益から一転、20年3月期業績予想は当期増益を見込む。

 21年3月期の連結売上高目標2兆円に向けて、同社は中国市場における電気自動車(EV)用モーターの伸長に期待を寄せる。吉本浩之社長は「中国が現時点でEVをけん引する大きな市場であることは間違いない」とし、トラクションモーターを中心に受注拡大に意欲を示す。

<アナリストの目>


 19年3月期営業利益は1386億円。4Qの一時費用236億円を考えれば好決算。20年3月期予想の営業利益1750億円(前提1ドル105円)は弊社予想(同110円)を250億円下回った。日本電産の期初計画はもともと保守的なので違和感はない。20年3月期の1Qは中国市場で在庫調整が進むものの、回復は緩慢で不振継続を見込む。本格回復は早くても2Q以降。20年3月期下期は新製品の需要が強く、回復に自信。
 車載モータでは、トラクションモータは出力150/100/70kWとフルに製品をそろえ、中国や欧州などでの引き合いがさらに増加中。世界シェア首位が見えてきた。
M&A関連では、オムロン車載部門(OAE)とのシナジーに期待。3年後の営業利益目標15%は早期達成も可能。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニアアナリスト・内野晃彦氏

日刊工業新聞2019年4月24、25日( エレクトロニクス )に加筆

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