日本電産が減益へ。永守会長「経験したことのない落ち込み」

米中貿易摩擦の影響も、「しゃがんで、もう一度跳ぶ」

 米中による貿易戦争が、日本企業の業績にまで影響を及ぼし始めた。日本電産は17日、2019年3月期連結業績予想(国際会計基準)を下方修正すると発表した。当期利益は従来、増益見通しだったが一転して前期比14%減の1120億円を見込む。米中貿易摩擦の実体経済への負の影響や中国の景気減速感の強まりにより、想定以上に顧客の需要減と大規模な在庫調整が進行したことが主因。

 17日都内で開いた会見で永守重信会長は「18年11月、12月は経験したことのない落ち込み」と述べ、迅速に業績に反映した。ほかにも売上高の見通しは18年7月予想比1500億円減の1兆4500億円、営業利益も同500億円減の1450億円に引き下げた。

 営業減益の要因は、減収の影響で400億円、下期(18年10月―19年3月)に欧州での工場の統廃合などで計240億円の構造改革費用を計上することが響く。その一方で購入品コストのさらなる低減や支出の抑制を徹底することで140億円の増益要因を見込む。

 ただ、永守会長は「経営の方向性を変更しようという気持ちは全くない」と強調。車関連事業では中国市場が減速し、「18年11月は前年11月比で生産ベースで約30%落ちた」(吉本浩之社長)としつつも、車載関係や新事業は計画通り進める考えを示した。永守会長は「ここでしゃがんでもう一度跳ぶ心構えだ。きょう現在で設備投資計画を見直すつもりはない」と述べた。

日刊工業新聞2019年1月18日掲載

梶原 洵子

梶原 洵子
01月18日
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厳しい状況下でも強いイメージのある日本電産なので、かなり驚く発表でした。同社は製品のシェアが高いからこそ、世界的な情勢変化の影響は敏感に、大きく出てくるし、次の変化の予兆も見えやすいと思います。今回の発表で、米中貿易摩擦に対する危機感は、これまでとは一段階違うものになっていきそうです。昨年就任したばかりの吉本社長にとっては、いきなり厳しい経営環境となりました。

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