GEによる金属積層造形のイノベーション拠点構想とは

ミュンヘン工科大と連携し、産業集積化

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)が、ドイツ・バイエルン州ミュンヘンにある欧州の研究開発施設を金属積層造形(AM)の一大イノベーション拠点として活用する構想を描いている。近隣のミュンヘン工科大学との連携を密にしながら、欧州テクノロジーセンターのビルの一部に同工科大の研究チームやその研究提携先、AMの活用企業などを入居させる案が持ち上がっているという。(藤元正)

主力事業に


 GEは2017年12月に1500万ドルを投じ、ミュンヘンの欧州テクノロジーセンターの敷地内に、金属AM事業部門であるGEアディティブの国際カスタマー・エクスペリエンス・センター(CEC)を開設した。

 それに先立って、電子ビーム方式のスウェーデンのアーカム、直接金属レーザー溶融方式の独コンセプト・レーザーという金属AMの有力装置メーカー2社を買収。航空機・医療機器はじめ、GEグループ内での金属AM技術の有効活用とともに、金属AMを主力事業の一つに育成する方針を打ち出している。

行政とも協力


 一方で、CECに隣接するGEの欧州テクノロジーセンターは約10年前に完成。航空機、ヘルスケア、再生可能エネルギー関連などのエンジニアやスタッフが入居していたが、現在はCECの新しい建物に人員を集約し無人の状態。CECによれば、テクノロジーセンターの空いたフロアの一部に金属AM関連の大学研究者やAM関連の企業に入居してもらい、行政機関とも連携しながら、サイト全体を金属AMクラスター(産業集積地)にする案が検討されているという。

多くのAM企業


 もともとバイエルン州には金属AM関連の企業が多く、造形装置大手のイオス(EOS)はミュンヘンが本社。GEが傘下に収めたコンセプト・レーザーもバイエルン州内にあり、産業機器や薄膜コーティングを手がけるスイスのエリコンの金属AM設計製造会社、エリコンAMもイノベーション&テクノロジーセンターをミュンヘンに置く。

 ミュンヘンのCECは欧州や日本・アジアのなどの顧客に対し、金属AMを活用した製品コンセプトから製品設計、金属粉末材料の選択、機械操作について研修やサポートを行うための施設。米ピッツバーグにもより大規模なCECがあるが、GEグループ向けのサポートも行っているため、ミュンヘンのCECがGEアディティブの金属AMサポート事業の国際拠点と位置付けられている。

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