工作機械メーカー、金型補修を複合加工機で競う

積層造形付で再生、ベテランの退職で顧客ニーズ高まる

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展示会では金型の補修サンプルを用意して来場者にアピールした(インターモールド2018)
 工作機械メーカーが金属積層造形による金型の補修提案に力を入れている。積層造形機能を持つ複合加工機による肉盛りと切削仕上げで、摩耗した金型を再生する。補修技術を持つベテランの退職を補えるとうたう。

 金型は長期間、頻繁に使用するため、摩耗・欠損が避けられない。摩耗・欠損部分を肉盛り溶接し、切削して仕上げる補修作業は、ベテランの勘と経験に頼る部分が大きい。だが、ベテランの退職が進み、若手に技能を伝承できないケースもあるとみられる。

 一方、工作機械大手はレーザーなどによる積層造形機能を盛り込んだ複合加工機を開発し、用途を提案してきた。有望分野と見ているのが、金型の補修だ。複合加工機で金型を補修できると展示会などでアピールする。

 オークマはレーザーユニット搭載の複合加工機で、自動車部品用金型を補修できると提案する。補修だけでなく、肉盛りによる形状追加も施せるのが特徴だ。角谷幸一技術本部ソリューション開発センター長は「補修についての問い合わせが多くある」と手応えを見せつつ、「この1台で完結できる」と利点を説く。

 DMG森精機はパウダーベッド、パウダーノズルと2種類のレーザー方式の技術を持ち、それぞれを採用した金属積層造形機を展開する。金型の補修にも適用できると見込むが簡単には採用されないと見通す。そこで、展示会では複雑な形状を積層造形したサンプルを多く並べ、既に実現している技術と理解してもらうことを狙う。

 ヤマザキマザックはレーザー方式とワイヤアーク溶接方式をそれぞれ搭載した複合加工機を持つが、コスト面で提案しやすいとにらむのが、ワイヤアーク溶接方式だ。レーザー方式に比べ精度は落ちるが、ワイヤを調達すれば良いため、低コストで済むと提案する。

 同社は複合加工機による金属部品自体の積層造形も提案しているが、中西正純常務執行役員営業本部本部長は「金型の補修のほうが(顧客側の)ハードルが低い」と分析する。
(文=名古屋・戸村智幸)

日刊工業新聞2018年4月24日

COMMENT

工作機械メーカーが積層造形の需要を開拓したいと考えている一方で、金型業界では金型の補修技術をどう維持していくかに悩んでいる。相性は良く、積層造形による金型補修が今後、浸透することが期待される。 (日刊工業新聞名古屋支社・戸村智幸)

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