金属積層造形の歪み、10分の1に抑制する新工法とは?

ソディックが開発、3Dプリンター室内とワークの温度を制御

 ソディックは金属積層造形(AM)の歪(ゆが)みを10分の1に抑える技術を開発した。金属3Dプリンターの加工室内と加工対象物(ワーク)の温度を制御し、ワークの熱膨張を踏まえて造形する。これまで金型に多く使われているステンレス合金は、温度変化で生じる内部の応力の影響が大きく、歪みや割れが生じる課題があった。新工法で歪み矯正の後加工を軽減する。4月中に本格提供を始める。

 新技術「SRT工法」は造形物内部の残留応力を抑制する。特許を取得した。自社製の金属3Dプリンター「OPM/LPM」に組み込む。納入済みの装置には、ソフトウエアのアップデートで機能するようにする。

 新工法はワークの高さ5ミリメートルごとに温度制御の工程を入れる。マルテンサイト変態と呼ばれる金属の体積変化を活用し、残留応力を抑える。

 ステンレス合金で造形寸法が80ミリ×80ミリ×35ミリメートルのワークを使った自社テストでは、従来300マイクロメートル(マイクロは100万分の1)だった歪みが、新工法では30マイクロメートルに抑えられた。また、これまで特に寸法の大きいワークは割れが課題だったが、248ミリ×248ミリ×42ミリメートルのワークでも、歪みを10分の1に低減したという。

 金属プリンターはレーザー光などで材料である金属粉末を溶融、凝固し造形していく。高温から常温になる際、膨張していたワークが収縮し、歪みや割れの原因になる。

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