オーロラ発生の仕組み解明へ一歩前進?

 国立極地研究所は南極大気を精密観測し、高度50キロ―80キロメートルの中間圏でカルシウムイオン層の検出に成功したと22日発表した。中間圏にカルシウムイオンの存在を確認したのは南半球では初めて。同時に南極域で初めてとなる中間圏のカリウム層の存在も確認した。これらの層はオーロラの発生にも関わっている可能性があり、オーロラ発生の仕組みの解明が期待される。

 さらに人工衛星の運用に関わるような地球近傍宇宙の電磁環境を示す「宇宙天気」を予報するための知見となる可能性もある。

 大型大気レーダー国際協同観測「ICSOM―4」で、2018年12月―19年1月に発生した高度11キロ―50キロメートルの北極成層圏の突然昇温に対し、昭和基地から良好な中間圏の観測データを取得。さらに18年7月には大型大気レーダー「PANSYレーダー」と、風速や気温、湿度などの気象データを観測する「ラジオゾンデ」を使い、高度11キロメートルまでの対流圏の乱流の同時観測に成功した。両現象の同時観測は世界的にもまれだという。

 これらの観測結果から、全地球大気の環境変動を把握し原因を明らかにすることで、大気の将来予測の精度向上が期待される。研究成果は17年10月―19年3月に実施した第59―60次南極地域観測隊の観測で取得した。

日刊工業新聞2019年4月23日

  

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