宇宙のゴミ掃除はビジネスになる、官民一体で狙え

世界の宇宙利用を活発に

 世界各国で宇宙開発が進む中、ロケットや人工衛星の残骸であるスペースデブリ(宇宙ゴミ)が開発の妨げとなっている。日本政府は対策を検討する関係省庁タスクフォースを開始。宇宙ゴミ除去には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のような宇宙機関だけでなく民間も参画。宇宙ゴミ除去サービスを日本発のビジネスにするとともに、宇宙ゴミの除去で世界の宇宙利用を活発にすることを目指す。

 現在、宇宙空間には、人工衛星などの壊滅的な破壊につながる10センチメートル以上の宇宙ゴミが2万個、宇宙ミッション終了につながる1センチメートル以上のゴミが50万―70万個、衛星の故障などにつながる1ミリメートル以上のゴミが1億個以上存在すると考えられている。地上から観測できる10センチメートル以上の宇宙ゴミは年々増加しており、21世紀になってからは人工衛星の破壊実験や衝突事故などによる宇宙ゴミの数が急増。宇宙ゴミは人工衛星や打ち上げロケットの残骸が集まる高度2000キロメートル以下の低軌道に集中しており、各国は対策に頭を悩ませている。政府は4日、タスクフォースの初会合を開き、宇宙ゴミに関する議論を開始した。

 JAXAは宇宙ゴミ除去システムの開発に向け、宇宙ゴミの観測や将来予測、衝突回避、除去などの研究開発を進めている。その中で、川崎重工業とともにロケットの上段を除去対象にした宇宙ゴミ除去サービスの技術実証を目指す。

 一方、民間や大学などが開発を進める小型衛星としては民間主導での宇宙ゴミ除去が進むと考えられる。日本発の宇宙ベンチャーであるアストロスケール(シンガポール)は、宇宙ゴミ除去実証衛星「ELSA―d(エルサディー)」の2020年初頭の打ち上げを目指している。

 平井卓也宇宙政策担当相は4日のタスクフォース初会合で「宇宙ゴミの除去システムへの取り組みは日本らしいプロジェクト。宇宙ゴミの課題解決は日本にとってチャンスとなる」と、宇宙ゴミ除去システムのビジネス化に意欲を見せた。
(文=冨井哲雄)

日刊工業新聞2019年3月6日

  

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