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安川電機の「IoT」海外へ、技術者150人配置

欧米中でサーボモーターなど現地化
安川電機の「IoT」海外へ、技術者150人配置

次世代工場「安川ソリューションファクトリ」のセル工程(埼玉県入間市)

 安川電機は海外でIoT(モノのインターネット)に対応した機能や製品の開発を加速する。サーボモーター、インバーター、産業用ロボットなどの主要製品では、日本を中心にデータ活用に適した機能や製品を開発している。欧州、米国、中国に技術者計約150人を配置して開発力を強化し、これらの製品を各国のニーズに応じて現地化する。主要製品のデータを活用し、生産性を向上する取り組みを、海外でも積極化する。

 安川電機は主要製品のデータを使いやすくして有効活用し、生産性を飛躍的に高める取り組み「アイキューブメカトロニクス」を推進する。

 例えばサーボシステムでは100万分の1秒単位で複数のモーターのデータを正確に検出する機能を開発。主要製品やセンサーのデータを収集・分析するソフトウエアツール「ヤスカワコックピット(YCP)」も商品化した。

 ロボットやモーターを搭載した搬送装置などで構成する一つのセル工程を、統合して制御することで、装置間の無駄を省いて効率化する「統合コントローラー」も開発する。

 これらの機能や製品は日本を中心に開発する。欧米中にも技術者を配置し、言語も含め各国の使用環境に応じて使いやすくする。

 YCPは業務統合パッケージ(ERP)など上位システムとの連係が可能。集めたデータを人工知能(AI)などを活用して上位で分析し、その結果を設備に反映できる。

 既に日本IBMと上位システムとの連携機能を開発。国内外で互いの顧客基盤を活用し、YCPなど関連製品を相互販売する取り組みも始めた。

 安川電機は主要製品で豊富な納入実績を持つ。特に設備が駆動する起点となるモーターは、データ分析の基盤となり用途も広い。信頼性の高いデータをベースに分析精度を高め、統合して制御することで各製品の性能を最大化し、生産性の改善に貢献する。

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